国立西洋美術館の英断!盗難判明の15世紀イタリア古文書「聖務日課書」返還の舞台裏と称賛の声

東京・上野にある芸術の殿堂、国立西洋美術館から驚くべきニュースが飛び込んできました。本日2019年6月13日までに明らかになったところによると、同美術館が所蔵していた貴重な15世紀イタリアの古文書が、なんと盗難品であったことが判明したのです。しかし、ここからの対応が素晴らしいものでした。美術館側は事実を知るや否や、本来の持ち主であるイタリア側へこの作品を無償で返還していたのです。所蔵品が盗難品だと発覚するのは同館でも初めてのケースだそうで、美術界に大きな衝撃を与えています。

今回話題となっている古文書は、「聖務日課書(せいむにっかしょ)」から切り取られた1枚です。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、聖務日課書とは、キリスト教の聖職者たちが毎日決まった時間に祈りを捧げるために用いる、典礼文や賛歌が記された書物のことを指します。問題の古文書には、非常に装飾的な文字が並び、その周囲を色鮮やかな植物の絵が取り囲んでいるそうです。中世の祈りと美意識が凝縮された、歴史的価値の高い芸術品と言えるでしょう。

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数奇な運命をたどった古文書の行方

この美しい古文書がたどった運命は、まるでサスペンスドラマのようです。もともとはイタリアのトリノ大司教区古文書館で大切に保管されていたものでした。しかし1990年、ボランティアを装って潜入した夫婦によって、32枚ものページが切り取られて盗み出されてしまったのです。今回見つかったのは、そのうちの1枚でした。その後、1993年にはロンドンのオークションに出品され、巡り巡って日本人収集家の手に渡り、2016年に国立西洋美術館へ寄贈されたという経緯があります。

こうした経緯が明らかになったことを受け、国立西洋美術館は迅速に行動を起こしました。今年2019年4月26日、在日イタリア大使館において、この古文書をイタリア側へ正式に引き渡したとのことです。美術品市場には、来歴が不透明なまま流通してしまう作品が残念ながら存在します。しかし、今回の美術館の判断は、文化財保護の観点からも、国際的な信頼関係を守る上でも、極めて誠実で適切な対応だったと私は強く感じています。

SNSでの反響と文化財への意識

このニュースに対して、インターネット上やSNSでも多くの反響が寄せられています。「正直に返還した国立西洋美術館の対応は素晴らしい」「日本が泥棒の片棒を担ぐことにならなくてよかった」といった、美術館の誠意ある行動を称賛する声が多く見受けられました。一方で、「オークションを経由しても盗難品だとわからないなんて怖い」「世界的な市場の闇を感じる」といった、美術品流通の難しさに驚く意見も散見されます。

私自身、編集者としてこのニュースに接し、改めて「物の価値」と「正当な所有」について深く考えさせられました。どれほど美しい芸術品であっても、それが不正な手段で奪われたものであるならば、本来あるべき場所に戻されるのが筋というものです。今回の件は、私たち日本人が文化財に対して高い倫理観を持っていることを世界に示す良い機会になったのではないでしょうか。イタリアの地で、この古文書が再び安らかな時を刻むことを願ってやみません。

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