2019年09月03日の東京株式市場において、緑茶飲料の最大手である伊藤園の株価が急騰し、一時前日比で290円、率にして6%も上昇する場面が見られました。この株価の躍進を後押ししたのは、同日に発表された2019年05月から2019年07月期の連結決算の内容です。原材料費の高騰などが懸念される厳しい経営環境下で、しっかりと最終増益を確保した事実が投資家から大きな好感を持って受け止められました。
今回の好決算を牽引した最大の要因は、主力商品であるペットボトル飲料の値上げに踏み切ったことです。一般的に消費財の値上げは販売数量の減少を招くリスクがありますが、同社はあえて安売りに頼らない「自助努力」を徹底しました。目先の売上規模を追うのではなく、しっかりと利益を出すという強気な営業方針への転換が、数字となって表れた形です。こうした収益性の向上を目指す姿勢は、市場関係者からも高く評価されています。
SNSやネット上の反応を見てみると、「お茶の品質を考えれば値上げは納得できる」「安売り競争から脱却するのは企業として健全な姿だ」といった、同社のブランド力を支持する声が目立っています。また、投資家の間では「他社が追随できない決断力がある」と感銘を受ける意見も散見されました。これまでデフレマインドが根強かった飲料業界において、伊藤園が示した今回の価格戦略は、一つの大きな転換点になるかもしれません。
ここで専門用語について少し触れておきましょう。投資家が注目した「連結決算」とは、親会社だけでなく子会社などのグループ全体を一つの組織とみなして計算した成績表のことです。また「最終増益」とは、全ての経費や税金を差し引いた後に残る純利益が、前の年の同じ時期と比べて増えた状態を指します。つまり、会社が自由に使えるお金が着実に積み上がっていることを意味しており、企業の基礎体力が非常に充実している証拠だと言えるでしょう。
私は今回の伊藤園の動きについて、非常に勇気ある賢明な判断だと考えています。多くの企業が競合他社との価格競争に疲弊する中で、自社の価値を信じて適正な価格を提示することは、巡り巡って消費者に質の高い商品を届け続けることにつながるからです。利益を確保することで新たな商品開発や環境対策への投資も可能になります。安さだけを追求する時代は終わり、価値に見合った対価を支払う文化がより一層定着していくことを期待せずにはいられません。
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