北陸エリアの経済に、少しばかり冷たい風が吹き込んでいるようです。2019年9月11日、北陸財務局が発表した最新の法人企業景気予測調査の結果によれば、富山・石川・福井の北陸3県における景況感は、現在厳しい局面に立たされていることが浮き彫りになりました。今回の調査で示された景況判断BSIは、全産業でマイナス11.7という数字を記録しています。これは前回行われた調査結果からさらに0.4ポイント低下しており、3四半期連続で景気が後退している現状が浮き彫りとなりました。
ここで登場した「BSI(ビジネス・サーベイ・インデックス)」という言葉に馴染みがない方も多いかもしれません。これは企業の経営者に対して、自社の景気が前の時期と比べて「上昇」したか「下降」したかをアンケートし、その割合の差を数値化した指標です。マイナスの値が大きくなるほど、現場のリーダーたちが「今は厳しい時期だ」と肌で感じていることを意味します。現在の北陸では、ポジティブな展望を持つ企業よりも、先行きの不透明さに頭を悩ませる企業が上回っている状況と言えるでしょう。
この景況感悪化の大きな要因として挙げられているのが、海を越えて激化する米中貿易摩擦の影響です。世界を代表する二大経済大国が互いに関税を掛け合う争いは、巡り巡って北陸の得意分野である製造業を直撃しました。工作機械や電子部品など、グローバルなサプライチェーン(供給網)に組み込まれている地元の工場において、受注の鈍化や生産の調整を余儀なくされるケースが増えています。ものづくりの街として知られる北陸にとって、外需の冷え込みは無視できない大きな痛手となっているのです。
SNS上では今回の発表に対し、「地元の製造業で働く身としては、残業代の減少などで不況をリアルに感じる」といった切実な声や、「北陸新幹線の効果で潤っていると思っていたけれど、産業全体では厳しいのか」と驚く意見が散見されます。一方で、「こういう時こそ地元の技術力を信じて耐えるしかない」といった力強い応援コメントも寄せられていました。消費者の目に見える観光業などの盛り上がりとは裏腹に、地域経済の屋台骨である製造現場では、忍耐の時期が続いている様子が伺えます。
編集者としての視点から述べれば、この停滞を単なる悲観材料として捉えるべきではありません。確かに2019年7月から9月にかけての数字は厳しいものですが、北陸の企業はこれまでも幾多の円高や世界恐慌を、独自の技術革新で乗り越えてきた歴史があるからです。グローバル経済の荒波に晒されることは、裏を返せばそれだけ北陸の製品が世界に必要とされている証左でもあります。現在はしゃがみ込んでいる状態かもしれませんが、次なる飛躍に向けた準備期間として、地元の底力に期待したいところです。
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