北海道地震から1年。厚真町で営まれた合同法要に漂う祈りと、「生かされた命」を全うする遺族の決意

最大震度7という、大地が激しく波打つような未曾有の揺れが北海道を襲ってから、早いもので1年が経過しました。2018年(平成30年)9月6日に発生した北海道胆振東部地震は、関連死を含め44名もの尊い命を奪い、各地に深い傷跡を残しました。特に大規模な土砂崩れに見舞われた厚真町では、2019年9月6日に合同法要が営まれ、参列した約120名の遺族が静かに祈りを捧げています。

今回の法要の舞台となったのは、地震の被害によって本堂が損壊してしまった専厚寺の庫裏(くり)です。庫裏とは、お寺の僧侶やその家族が生活する居住スペースを指しますが、本堂が使えない状況にあっても、犠牲者を悼む場所を確保しようとする切実な思いが伝わってきます。厳かな読経が響き渡る中、参列者は一人ずつ焼香を行い、愛する人との別れを惜しみながら、静かに目を閉じて手を合わせていました。

最愛の母であるミヨさんを失った中村忠雄さんは、この1年を振り返り、月日が流れる早さに驚きを隠せない様子でした。「おふくろを忘れることは決してない」と語る彼の言葉には、消えることのない深い喪失感が滲んでいます。しかし同時に、これまで通りの生活を続けていくしかないという、現実を見据えた力強い意志も感じられました。悲しみを抱えながらも一歩ずつ前へ進む姿は、多くの被災者の心を代弁しているかのようです。

法要の席で語られた岸田理住職の法話は、SNSでも「心に深く刺さる」と大きな共感を呼んでいます。岸田さんは地震直後から炊き出しに従事し、被災者に寄り添い続けてきた方です。彼は「今日という日は、亡くなった方々がどうしても生きたかったはずの1日かもしれない」と優しく語りかけました。この言葉は、今を生きる私たちに対して、与えられた命の重みを再認識させる重要なメッセージを含んでいるのではないでしょうか。

編集者である私自身の考えを述べさせていただけるなら、災害の風化を防ぐことこそが、残された者の最大の使命であると確信しています。震度7という数字は、単なる記録ではなく、そこにあった日常が一瞬で奪われた痛みの象徴です。住職が説いたように、私たちが自らの人生を全うすることこそが、犠牲となった方々への何よりの供養になるはずです。悲劇を繰り返さないための教訓を胸に、私たちは歩みを止めずに未来を築くべきでしょう。

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