四国エリアの消費動向に、天候不順という大きな影を落としています。四国経済産業局が発表した2019年07月の大型小売店販売額は、百貨店とスーパーを合算した速報値で428億円を記録しました。これは前年同月と比較して4.8%の減少となり、好調を維持していた四国の小売市場が3カ月ぶりに前年を下回る結果となったのです。
この苦戦の背景にあるのは、2019年特有の梅雨明けの遅れに他なりません。本来であれば夏商戦が本格化する時期ですが、雨が続いたことで「夏物衣料」を買い求める客足が鈍ってしまいました。季節感が売上に直結するファッション分野において、気候の変化は時に致命的な影響を及ぼします。百貨店やスーパーの衣料品売り場が閑散とする様子は、地域の活力低下を予感させるものでしょう。
各業態のデータを見ると、その深刻さが浮き彫りになります。百貨店は前年同月比4.9%減の87億円となり、衣料品だけでなく、食の楽しみである「飲食料品」も勢いを欠く結果となりました。また、地域住民の生活を支えるスーパーも、4.8%減の341億円と5カ月ぶりに前年実績を割り込んでいます。私たちの食卓と密接に関わるスーパーの数字が落ち込んでいる点は、注視すべき事態です。
ネット上のSNSでは「確かに7月は雨ばかりでサンダルやTシャツを買う気分になれなかった」「アイスを食べるよりも温かいものが欲しくなる冷夏だった」といった声が上がっています。消費者の心理は実に正直で、空模様一つで購買意欲が左右されてしまうのです。特にコンビニエンスストアの不振は顕著で、主力商品であるアイスクリームや冷やし麺の売上が伸び悩み、9カ月ぶりに前年を下回る2.1%減となりました。
天候に左右される季節商品の明暗とドラッグストアの粘り
さらに家電量販店やホームセンターといったカテゴリーでも、厳しい戦いが続いています。例年であれば飛ぶように売れるはずの「エアコン」などの季節家電が、連日の低温と湿気によって需要が停滞してしまいました。このような季節商品は、いわゆる「買い時」を逃すと挽回が難しいため、経済全体の押し下げ要因となってしまうのが残念でなりません。
その一方で、独自の強みを発揮したのがドラッグストア業界です。他の業態が季節商品の販売不振に苦しむ中で、医薬品などの生活必需品が手堅く伸びを見せました。ドラッグストアとは、調剤薬品や化粧品、日用品を幅広く扱う店舗を指しますが、気象条件に左右されにくい安定した需要を確保できる点が、今回の不況下でも微増という結果に繋がったのでしょう。
私自身の見解としては、小売業界はもっと「天候リスク」に対するレジリエンス(回復力)を高める必要があると感じています。雨の日限定の体験価値や、気温に連動したダイナミックな販促活動など、自然環境を逆手に取った戦略が今後は不可欠でしょう。四国の経済が再び活気を取り戻すためには、天候に頼り切らない新しい消費の形を模索していくべきではないでしょうか。
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