信州の養豚業が、かつてない危機に直面しています。2019年09月19日、長野県は高森町の養豚農家において、家畜伝染病である「豚コレラ(CSF)」が発生したと発表しました。これは、同年02月の宮田村、そしてわずか数日前の09月14日に確認された県畜産試験場に続く、県内3例目の事態です。相次ぐ発生を受け、現場には張り詰めた緊張感が漂っています。
豚コレラとは、豚やイノシシに特有のウイルス性疾患であり、強い伝染力と高い致死率が特徴です。一度感染が広がると地域経済に甚大な被害を及ぼすため、迅速な対応が求められます。今回の発生を受け、長野県の阿部守一知事は「極めて深刻な事態である」との認識を示しました。もはや従来の対策だけでは限界があり、事態を打開するための抜本的な一手が急務となっています。
知事が動く!7県合同で農水相へ「ワクチン接種」を直訴
こうした状況下で、阿部知事は大きな決断を下しました。2019年09月20日に、岐阜県や愛知県など被害が出ている他県と手を取り合い、江藤拓農林水産相へ飼養豚へのワクチン接種を強く要望する方針を固めたのです。これまで国は輸出への影響を考慮して慎重な姿勢を見せてきましたが、知事は「避けて通れない道だ」と断言し、背水の陣で国との交渉に臨む構えを見せています。
ネット上でもこの決断には大きな注目が集まっています。SNSでは「これ以上農家さんを苦しめないで」「ワクチン解禁は妥当な判断」といった声が上がる一方で、「風評被害が心配」という懸念の声も聞かれます。知事はこうした不安を払拭するため、ワクチンを接種した豚肉が市場で円滑に流通できるよう、国に対して万全のバックアップ体制を整えるよう求めていく考えです。
私自身の見解としても、現場の悲鳴を形にする政治のスピード感は評価すべきだと感じます。命を育む農家の努力が一瞬で無に帰す悲劇を止めるには、伝統的な輸出ルールを守ること以上に、目の前の産業を守る実利的な判断が最優先されるべきでしょう。食の安全を守りつつ、生産者が希望を持てるような仕組み作りが、今まさに国のリーダーシップに問われています。
高森町の現場で続く不眠不休の防疫作業と拡大防止策
発生が確認された高森町の農場では、2019年09月19日中に殺処分が完了し、21日までには汚染物の消毒を終える予定で作業が進んでいます。延べ150人もの人員が動員されるこの防疫措置には、県議会も即座に3800万円の予算を承認しました。現場では二次感染を防ぐため、周辺10キロ圏内の養豚場への監視を強化し、車両の消毒ポイントを4カ所に設置するなど、鉄壁の守りを敷いています。
県内には約80戸の農家が、合計で6万8000頭もの豚を大切に育てています。今回の高森町のケースでは、事前に野生イノシシの感染が確認されていなかったという点も、ウイルス侵入経路の特定を難しくさせている不気味な要素です。県は今後、出荷時の臨床検査を徹底することで、消費者の皆様に届く食肉の安全性をこれまで以上に厳格に担保していく方針を示しています。
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