2019年6月15日、連立政権の一翼を担う公明党の山口那津男代表が、兵庫県尼崎市での街頭演説において、永田町の最大の関心事の一つであった衆議院の解散について「多分ないでしょう」との見解を示されました。この発言は、迫る国会会期末と、夏の参議院選挙のスケジュールが固まりつつある中で飛び出したものであり、政界の動きを注視する多くの国民やメディアの注目を集めているのです。現在、国会は6月26日に会期末を迎える予定となっており、その直後に控えているのが「参院選」です。この参院選は、7月4日に公示され、7月21日に投開票される見込みが濃厚であると報じられています。
公明党代表の発言に加えて、自民党内からも同様の認識が示されています。自民党の森山裕国会対策委員長は、鹿児島市内で開催された党会合の席上、国会の会期を延長する必要はないだろうという見通しを明らかにしたのです。森山氏は「確定的に申し上げる時期ではないが、おそらく会期延長はないのかな」と語っており、与党内の主要な意思決定者が、会期延長という政治的なカードを切ることなく、予定通りに国会を閉じる方向で考えていることがうかがえます。この「国会会期末」とは、国会が活動を行う期間の終了日を指す専門用語ですが、この時期は内閣が衆議院の解散権を行使するタイミングとしても常に注目されるため、その判断一つ一つが重要な意味を持つのです。
衆院解散は回避か?与党幹部の胸の内を深読みする
なぜ、与党幹部が衆議院の解散(衆院解散)に消極的な姿勢を見せているのでしょうか。衆院解散とは、内閣の助言と承認に基づき、天皇の国事行為として衆議院議員の任期途中でその資格を失わせ、総選挙を行うことを意味します。これは内閣総理大臣の専権事項であり、「伝家の宝刀」とも呼ばれる強力な政治判断なのですが、今回は見送られる公算が大きいようです。その背景には、何よりもまず、7月の参議院選挙が目前に迫っているという事情があります。参院選という大きな国政選挙を控えているにもかかわらず、あえて衆院選をぶつけるようなダブル選挙を選挙戦術として選択するメリットが、現時点で見当たらないという判断が働いていると推測されます。
参院選で安定的な勝利を収めることが、安倍政権および連立与党にとって最優先事項でしょう。もしダブル選挙となれば、選挙戦が煩雑になり、有権者の関心が分散してしまう懸念も出てきます。また、衆院解散には「大義名分」が必要不可欠であり、国民に納得してもらえるような明確な理由がなければ、かえって政権への不信感を招きかねません。現在、SNS上でも「この時期に解散する大義名分はないだろう」「参院選に集中するのが当然だ」といった意見が散見されており、国民の多くも衆院解散には慎重な見方をしているようです。
編集者としての私見ではありますが、今回の与党幹部の発言は、夏の参院選に向けて政権運営を安定させ、足元を固めたいという強い意図の表れだと拝察いたします。不用意な衆院解散というリスクを回避することで、参院選での勝利に集中し、その後の長期政権に向けた布石としたいのでしょう。この判断は、短期的な視点で見れば非常に合理的で、現実的な選択であると言えるのではないでしょうか。この夏、政界はまず参議院選挙という大きな波を乗り越えることに全力を注ぐことになるでしょう。
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