西日本最大の空の玄関口として、連日多くの外国人観光客で賑わう関西国際空港。その到着ロビーに位置する「関西ツーリストインフォメーションセンター」では、日本に降り立ったばかりの旅行者たちが期待と不安を胸に列を作っています。ここで日々、約100人もの相談に真摯に向き合っているのが、JTBの包碩仁(ホウ・セキジン)さんです。2016年に入社して以来、中国語、英語、日本語の3か国語を自在に操りながら、訪日客の旅を支える頼もしい案内役として活躍されています。
包さんの業務は、単なる道案内にとどまりません。大阪市内へ向かう鉄道やバスの乗車券販売から、急ぎの宿泊予約、さらには魅力的な1日ツアーの提案まで、その範囲は驚くほど多岐にわたります。こうした多種多様なニーズに応えるため、彼はプライベートな休日ですら情報収集の場に変えてしまう情熱の持ち主です。最近も、多くの旅行者から問い合わせを受けていた「ひらかたパーク」へ、自ら家族と共に足を運んで現地の空気感を肌で感じてきたといいます。
実体験に基づいた「生の情報」が生む、リピーターとの絆
「ホスピタリティー」という言葉は、単なる「おもてなし」以上に、相手が何を求めているかを先回りして察する深い思いやりを指します。包さんが大切にしているのは、ガイドブックには載っていないような実体験に基づく生きた情報を提供することです。自ら足を運んで得た知識があるからこそ、相談者の表情がパッと明るくなる瞬間が生まれるのでしょう。SNS上でも「関空のスタッフが親切で助かった」「言葉の壁を感じずに旅行をスタートできた」といった、現場の対応を称賛する声が数多く見受けられます。
そんな彼のやりがいは、何と言っても訪日客が見せてくれる心からの笑顔です。数年前、初めて日本を訪れた台湾人女性に広島へのツアーを提案した際、その丁寧な対応が彼女の心に深く刻まれました。驚くべきことに、その女性は2度目の来日時に再び包さんを指名して訪ねてきてくれたのです。こうした再会は、単なる事務的なサービスを超えた「信頼関係」が築けている証拠であり、観光のプロフェッショナルとしてこれ以上ない喜びであるに違いありません。
インバウンド需要が右肩上がりで成長を続ける2019年9月27日現在、包さんのような多言語対応と高い専門性を兼ね備えた人材の存在は、日本の観光業にとって不可欠な財産と言えます。私は、彼のような「現場のプロ」が発信する情報の精度こそが、旅の満足度を左右する鍵になると確信しています。スマートフォンの検索だけでは辿り着けない、心のこもった対面案内があるからこそ、日本は「また来たい国」として世界から愛され続けるのではないでしょうか。
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