「待つ」美学が繋ぐ絆。大阪信用金庫理事長・高井嘉津義氏が共鳴するファッションブランド「matohu」の哲学

大阪信用金庫の理事長を務める高井嘉津義氏と、日本独自の美意識を現代に昇華させるファッションブランド「matohu(まとふ)」のデザイナー、堀畑裕之氏。一見すると接点のなさそうな金融とファッションという二つの世界が、深い哲学によって結びついています。二人の出会いは2006年に遡り、知人の家族として紹介されたことがきっかけでした。高井氏は堀畑氏が掲げるブランドへの真摯な考え方に触れ、瞬く間に意気投合したといいます。

堀畑氏は大学院で哲学を専攻した異色の経歴の持ち主で、学問の道を志した後に家業を継ぐことなく服飾の世界へと飛び込みました。ブランド名の「matohu」には、日本語の「纏う(まとう)」と「待とう」という二つの意味が込められています。これは、衣服が優しく身体を包み込む心地よさを追求すると同時に、流行を追わず、大量生産に背を向けながら、ブランドを真に理解してくれるファンが現れるのをじっと待つという、高潔な意志の表れなのです。

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ビジネスの根幹を支える「積極的な待ち」の姿勢

この「待とう」という精神は、激しい競争が繰り広げられる金融業界で舵を取る高井氏の信条とも見事に重なりました。特に大阪という商都においては、他行との厳しい条件争いにより、一時的に取引が縮小してしまう場面も少なくありません。しかし、高井氏はそこで諦めるのではなく、地域社会の課題解決に地道に取り組み、信頼という種をまき続けることで、いつか再び縁が巡ってくるのを待つ「積極的な待ち」の姿勢を重視されています。

SNS上でもこのエピソードには注目が集まっており、「効率至上主義の現代において、信用の本質を突いている」といった共感の声や、「職種は違えど根底にあるプライドが共通しているのが素晴らしい」といった感動のコメントが寄せられています。目先の利益に惑わされず、長期的な視点でファンや顧客を大切にする姿勢は、情報が溢れる現代社会において、私たち個人がキャリアや人間関係を築く上でも非常に重要なヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

堀畑氏は決して雄弁なタイプではありませんが、その言葉には重みがあり、2019年10月02日現在も「大切なのは一時的な収益ではない」と静かに説き続けています。高井氏の夫人も今やブランドの熱心なファンであり、ロングドレスを愛用されているそうです。13年以上にわたる交流の中で、歩む道は違えど、二人は「真の価値を追求する」という同じ高みを目指しています。互いを高め合える友の存在こそが、組織を率いるリーダーの活力源となっているのです。

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