2019年10月12日に記念すべき創立100周年を迎えるオリンパスが、株式市場でひときわ強い輝きを放っています。その勢いを象徴するように、株価は上場来の高値圏を快走しており、投資家たちの視線は釘付けです。この株価上昇の背景には、2019年11月に発表が予定されている新たな経営改革プランへの絶大な期待感があることは間違いありません。
SNS上でも「オリンパスの勢いが止まらない」「100周年にふさわしい盛り上がりだ」といったポジティブな声が目立っています。特に2019年8月30日にソニーとの資本提携解消が発表された直後には、株価が一時7%も急騰する場面がありました。その後も勢いは衰えず、2019年10月1日には1469円という記念碑的な高値を記録し、市場に衝撃を与えたのです。
最強のパートナー「物言う株主」との二人三脚
今回の改革における最大の注目点は、米国の投資ファンドであるバリューアクト・キャピタルとの連携でしょう。彼らは単に株を買うだけでなく、経営に積極的に提言を行う「物言う株主(アクティビスト)」として知られています。2019年7月には、同ファンドから2名のスペシャリストが社外取締役に就任し、改革のスピードを一段と加速させています。
アクティビストと聞くと強引なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、彼らは投資先と手を取り合い、持続的な成長を促すスタイルを得意としています。過去にはマイクロソフトやアドビといった巨大企業のビジネスモデル転換を成功させた実績もあるのです。オリンパスにおいても、その豊富な知見がどのように活かされるのか、市場は固唾を飲んで見守っています。
現在、竹内康雄社長のもとで策定が進められている長期経営改革プランでは、収益性の劇的な向上が柱となるでしょう。現在の営業利益率は10%前後ですが、これを海外の競合他社並みの20〜30%にまで引き上げることが目標です。営業利益率とは、売上から経費を引いた儲けの割合を示す指標であり、これが高まることは企業の「稼ぐ力」が強まることを意味します。
主力である医療事業、特に内視鏡分野でのコスト削減や体制の見直しは、改革の本丸と言えるでしょう。オリンパスの従業員1人あたりの売上高は、海外大手のメドトロニックなどと比較するとまだ改善の余地があります。グローバルな視点を持つバリューアクトの知見を注入することで、世界基準の効率的な組織へと生まれ変わることが期待されているのです。
一方で、赤字が続くカメラ事業の去就についても注目が集まっています。会社側は「光学技術の象徴」として継続する意向を示していますが、投資家からは聖域なき改革を求める声も上がっています。個人的には、伝統を守りつつも、いかに未来の成長分野へリソースを集中させるかという経営判断こそが、101年目以降のオリンパスの命運を分けると確信しています。
期待値が高まりすぎている分、2019年11月の発表内容が中途半端であれば、市場が冷え込むリスクも否定できません。しかし、100年の歴史を持つ名門が、外部の風を取り入れて自らを壊し、再構築しようとする姿勢は高く評価されるべきです。この秋、オリンパスが示す「本気」の改革案が、日本の製造業に新たな希望の光を灯すことを願ってやみません。
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