日本企業の海外展開が当たり前の時代となり、ビジネスの現場では自国のルールを正しく相手に伝える必要性が急速に高まっています。こうした背景から、日本政府が法令の英訳という壮大なプロジェクトに着手してから、2019年で早くも10年という節目を迎えました。しかし、現状を見渡すと、翻訳が完了している法令は全体のわずか1割程度にとどまっており、国際化のスピードに追いつけていない実態が浮き彫りになっています。
この深刻な状況に対し、SNS上では「海外進出したい企業にとって日本の法律が英語で読めないのは致命的なリスクだ」といった危機感を募らせる声が後を絶ちません。他にも「もっと迅速に英訳が進まなければ、日本市場の魅力が損なわれてしまう」という指摘も見受けられます。ビジネスの根幹を支える法律というルールブックが翻訳されていないことは、海外から日本への投資を呼び込む上でも、大きな足枷となっているのは間違いありません。
世界の成功例に学ぶ!EUや韓国が実現した「迅速な法令英訳」の仕組み
ここで目を向けたいのが、欧州連合(EU)や韓国といった、いわゆる「法令翻訳の先行国」が築き上げてきた効率的なシステムです。これらの国々には、翻訳作業を専門に担う「専門機関」が確立されており、法律が制定されると同時にスピーディーに他言語化される体制が整っています。専門機関とは、特定の分野において高度な知識を持つスペシャリストが集まり、正確性とスピードを両立させて業務を遂行する組織を指します。
日本でもこの課題を克服すべく、2019年内にも有識者会議が設置される動きが活発化しており、本格的な改善に向けた議論が始まる見通しです。これまでは各省庁が個別に翻訳を依頼していたため、どうしても作業が断片的になりがちで、統一感や迅速さを欠く場面が散見されました。しかし、海外の成功事例をモデルに一元的な体制を整えることができれば、日本も世界の投資家や企業からより信頼される国へと進化できるはずです。
私は、この法令英訳の遅れこそが、今の日本が抱える「内向きな姿勢」の象徴のように感じてなりません。言葉の壁を放置することは、自らチャンスを捨てているのと同じことではないでしょうか。2019年10月7日現在、私たちは大きな転換点に立っています。専門機関の設立は単なる事務作業の効率化ではなく、日本という国の「オープンさ」を世界に証明するための最優先事項であるべきだと確信しています。
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