東京ガスが挑む50年目の大転換!脱・ガス依存で海外LNGと再エネの覇者へ

都市ガス最大手の東京ガスが、かつてない時代の荒波に揉まれています。2018年度からスタートした3カ年の中期経営計画において、同社は本業であるガス供給での顧客流出という苦境と、快進撃を続ける電力事業という、対照的な二面性に直面しているのです。50年にわたり日本のエネルギーを支えてきた液化天然ガス(LNG)の知見を武器に、収益源をいかに多角化できるかが、同社の未来を占う試金石となるでしょう。

SNS上では「深田恭子さんのCMが可愛くて、ついつい電気もまとめちゃった」といった好意的な声が目立つ一方で、「他社への乗り換え手続きが驚くほど簡単だった」というシビアな意見も散見されます。こうした消費者のリアルな動きが、数字にも如実に表れているのが現状です。

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セット割で食い止める「ガス離れ」の防衛線

内田社長が自信をのぞかせる最大の要因は、電力契約の圧倒的な獲得ペースにあります。2020年度までに220万件としていた当初目標を、2018年には240万件へと上方修正しました。華やかなキャンペーンが功を奏し、2019年度内にはこの高いハードルさえも越える勢いを見せています。

同社がここまで電力に固執するのは、本業であるガスの顧客を守るためです。高松勝副社長が「電気とセットで契約している家庭の離脱率は1%未満」と語る通り、一度セットで囲い込めば流出を防ぐ強力な防壁となります。しかし、2017年の小売り全面自由化以降、ライバルの攻勢は激化の一途をたどっています。

かつて1026万人を誇った顧客数は、2019年06月30日時点で約960万人まで減少しました。東京電力やニチガスの連合に加え、関西の大手や鉄道会社までもが首都圏に参入したことで、かつての聖域は激戦区へと変貌したのです。もはや「ガスだけで勝負する」時代は、完全に終焉を迎えたと言っても過言ではありません。

アジアの空を青くする!海外LNG事業への活路

国内の苦戦を尻目に、東京ガスが新たな希望を見出しているのが海外市場です。2019年11月には、日本で初めてLNGを輸入してから記念すべき50周年を迎えます。この半世紀で培った高度なノウハウを、需要が急増する東南アジアへ展開しようという戦略です。

2018年12月には、フィリピンで同国初となるLNG受入基地の建設に向け、現地大手と共同開発に合意しました。さらに、2018年01月からはタイの工業団地でガス導管の敷設を開始し、インドネシアではエネルギー効率化の支援も手掛けています。国内で余ったLNGを海外拠点に回すといった、グローバルな需給調整が可能になるメリットは計り知れません。

ここで注目すべきは「LNG(液化天然ガス)」という資源の特性です。マイナス162度まで冷やして液体化することで容積を600分の1に圧縮したこの燃料は、石炭や石油に比べて環境負荷が低く、アジアの環境対策の切り札として期待されています。

再エネとVPPで描く「次世代エネルギー」の肖像

一方で、今後の課題となるのが再生可能エネルギー分野での出遅れです。2020年代に40万キロワットの確保を目指していますが、現在はその10分の1程度に留まっています。しかし、2019年04月にはメキシコで大規模な太陽光・風力事業に参画し、一気に45万キロワット分の発電量を確保するなど、海外を起点とした反転攻勢が始まっています。

国内でも2019年07月に太陽光関連企業との資本提携を発表しました。狙いは「VPP(バーチャル・パワープラント)」の構築です。これは、各地に点在する太陽光パネルや蓄電池を、IoT技術を使って一つの発電所のように制御する仕組みのこと。単なる「資源売り」から「高度なエネルギー管理サービス」への脱皮を図っています。

編集者の視点から言えば、東京ガスの真の強みは「インフラを支えてきた信頼」と「50年の技術蓄積」の融合にあります。単なる価格競争に埋没せず、VPPのような高付加価値サービスでどれだけ独自性を出せるかが、中期経営計画が掲げる営業利益1300億円達成への最短ルートになるはずです。

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