私たちの生活に欠かせないプラスチックの原料である「合成樹脂」の需要に、いま大きな変化が訪れています。日本国内における主要な合成樹脂の出荷状況を調査したところ、2019年08月の実績は36万トンにとどまり、前年の同じ時期と比べて3%減少したことが判明しました。この数字は2014年08月以来、実に5年ぶりとなる低水準であり、これまで堅調だった国内需要に「陰り」が見え始めている事態は無視できません。
そもそも合成樹脂とは、石油などを原料として人工的に作られた高分子化合物の総称で、レジ袋から自動車部品、家電製品まで幅広い分野で活用されています。今回の出荷減少の背景には、世界を揺るがしている「米中貿易摩擦」や中国経済の減速が深く関わっているでしょう。外需、つまり海外からの注文が落ち込んだことで、その影響が波及する形で国内の製造現場でも材料の引き合いが弱まっているのが現状といえます。
SNSでも不安の声が拡大!製造業の現場から見える景気の後退局面
このニュースに対し、SNS上では「いよいよ景気後退が現実味を帯びてきた」「プラスチックの動きが鈍いということは、あらゆる製品の生産が止まっている証拠だ」といった、危機感を募らせる投稿が相次いでいます。特に自動車産業や電機メーカーが集まる地域からは、現場の稼働率低下を心配するリアルな声が目立ちました。原材料の動きは景気の先行指標とも呼ばれるため、多くのユーザーが日本経済の行く末を注視している様子が伺えます。
編集部としての見解ですが、今回の出荷減は単なる一時的な調整ではなく、世界的なサプライチェーンの再編を象徴する出来事だと捉えています。環境意識の高まりによる「脱プラスチック」の流れも重なり、合成樹脂業界は今、まさに正念場を迎えているのではないでしょうか。単に安く大量に作るモデルから、付加価値の高い素材開発への転換が急務です。今後の動向から目が離せませんが、日本が誇る素材技術の底力に期待したいところです。
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