富士通株式会社は2019年6月18日、音を身体で感じる革新的な装置「Ontenna(オンテナ)」を活用したイベント支援サービスを、来る7月から本格的にスタートさせると発表しました。このオンテナは、髪の毛や衣服の襟元などに装着して使用し、聴覚に障害がある方でも「音」の存在やその強弱を、光と振動というまったく新しい感覚で捉えることができるように設計されています。この画期的なデバイスは、日常生活のサポートはもちろんのこと、コンサートやスポーツ観戦といった娯楽イベントの場においても、誰もが一体感を共有できる新しい体験を提供することが期待されているのです。
オンテナは、音を振動や光のパターンに変換する感覚代行技術を用いた情報機器です。具体的には、「本体」と「コントローラー」の二つの主要パーツで構成されています。本体には高感度なマイクが搭載されており、周囲の音を瞬時に拾い上げ、その音の大きさに応じて振動の強さを変化させます。さらに、コントローラーが複数の音情報を集約し、同時に最大30台のオンテナ本体に信号を送って連動させる機能も備わっているため、大規模なイベント会場であっても、参加者全員が一体となって同じ音の波を感じ取れるという点が、最大の魅力と言えるでしょう。
✨イベントに新しい光を!Ontenna(オンテナ)が実現する感動の共有体験
このオンテナの開発を主導したのは、同社の本多達也氏です。本多氏は、大学在学中に手話通訳のボランティア活動に携わった経験から、聴覚に障害を持つ人々の生活をテクノロジーで豊かにしたいという強い思いを抱き、このアイデアを具現化しました。その革新性は高く評価され、独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)の「未踏IT人材発掘・育成事業」に採択されるなど、開発当初から大きな注目を集めていたのです。本多氏の熱意と技術力が詰まったオンテナは、単なる補聴機器ではなく、音の魅力を再発見させるためのメディアとも言えるのではないでしょうか。
富士通は、オンテナをイベント支援の主力サービスとして展開していく方針です。具体的には、オンテナ30台を1日あたり税別20万円でレンタル提供し、2021年までにスポーツ団体、文化団体、地方自治体など、合計1000件のイベントでの導入を目指すという意欲的な目標を掲げています。このサービスを通じて、これまで音の感動を十分に共有できなかった方々にも、イベントの熱狂や一体感を全身で感じてもらうことが可能になるでしょう。この動きは、日本のイベント業界におけるインクルーシブデザイン(包摂的な設計)の推進において、非常に重要な一歩となります。
また、企業や個人向けの本体の販売は、富士通エレクトロニクスが担当します。本体は2万5千円前後、コントローラーは3万円前後という価格設定を想定しており、初年度には1万台の販売を目指しています。この発表に対してSNSでは、「これはすごい発明!」「ライブで使ってみたい」「手話だけでは伝わらない『音楽のノリ』を体感できるのは画期的」といった、賞賛と期待の声が多数寄せられています。オンテナは、聴覚障害者の生活の質(QOL)向上に貢献するだけでなく、健聴者も楽しめる新しいコミュニケーションの形を創造していくに違いありません。
私自身、この技術は単に「聞こえない」を補う以上の可能性を秘めていると感じています。音を光と振動という視覚・触覚に変換することで、これまで体験できなかった身体で感じる音楽や、周囲の環境との新しい関わり方を提供してくれるでしょう。富士通のOntennaは、今後、教育、福祉、エンターテインメントの分野で、私たちの想像を超えた感動的な体験を生み出していくことになるでしょう。
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