輸出入の心臓部として機能する東京港が、今まさに未曾有の混雑に直面しています。2020年の東京五輪開催を目前に控え、物流の停滞を懸念する声が日増しに強まってきました。こうした状況を打破するため、日本通運をはじめとする大手物流各社は、従来のルートに頼らない革新的な輸送プランの提案に乗り出しています。
世界中から物資が集まる首都圏は、巨大な消費市場としての側面を持っています。東京港におけるコンテナの取扱量は右肩上がりで推移しており、2018年には20フィートコンテナ換算で約457万個という過去最高の数字を記録しました。この「20フィートコンテナ」とは、物流業界で標準的に使われる長さ約6メートルの鉄製箱のことで、国際輸送の規模を測る指標となります。
西日本から首都圏へ!ベトナム輸入で試みた新たな挑戦
混雑を回避するための具体的な戦略として注目されているのが、西日本の港を活用した迂回ルートです。2019年10月17日現在、日本通運などはベトナムからの輸入貨物を西日本の港で一度荷揚げし、そこから陸路や内航船で東京近郊へ運ぶ実証実験を行っています。内航船とは、国内の港同士を結んで貨物を運ぶ専門の船を指し、道路の渋滞に左右されない安定した輸送手段として期待されています。
この試験的な取り組みの結果、輸送時間については従来の東京港直行便と比べても遜色のないスピードが維持できることが判明しました。SNS上でも「物流の分散は都市機能の維持に不可欠だ」といった肯定的な意見が散見され、五輪期間中の交通規制を不安視する荷主からも高い関心が寄せられています。効率的なルート確保は、もはや一企業の課題ではなく社会全体の重要事項と言えるでしょう。
しかし、実用化に向けては「コスト」という大きな障壁が立ちはだかっています。今回の試行では、輸送費用が通常時の約2倍に膨らむという厳しい現実も浮き彫りになりました。利便性と経済性のバランスをどう取るかが、今後の普及を左右する鍵となるはずです。私は、このコスト増を単なる負担と捉えるのではなく、物流の停滞を防ぐための「保険」として社会全体で許容する議論が必要だと考えています。
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