ビジネスの最前線で華々しい実績を残してきた日本証券業協会会長の鈴木茂晴氏。仕事一筋に見える彼ですが、実はプライベートでも驚くほどの熱量を持つ多趣味な一面がありました。大学時代には軽音楽サークルに所属していたこともあり、ジャンルを問わず音楽をこ愛飲する日々を送っていたそうです。そんな鈴木氏が弦楽器の一種であるベースを本格的に手にしたのは、なんと大和証券の専務時代という「六十の手習い」からでした。
ベースを始めるきっかけは、自宅で奥様がギターを演奏する姿を目撃したことでした。その腕前があまりに見事だったため、鈴木氏は妻の奏でるメロディを支える低音のリズム役に回ろうと決意したのです。ネットレッスンを駆使し、ゴルフに行けない雨の日には朝から晩まで猛練習を重ねました。このエピソードに対しSNS上では、「還暦を過ぎてから新しい楽器に挑戦する行動力が素晴らしすぎる」「奥さんへの愛とリスペクトが素敵」と大絶賛の声が相次いでいます。
やがて大学の同期からの誘いを受け、アマチュアの熟年音楽集団であるオヤジバンド「マッコイズ・カンパニー」を結成します。東京都内のライブハウスで月1回の演奏会を開催すると、身内やファンで常に満席になるほどの人気を博すようになりました。バンドの活動内容は本格的で、カントリー音楽をはじめ、ゲストの要望に合わせてジャズや歌謡曲まで演奏します。ゲストには著名な政治家や、自身のオリジナル楽曲のCDを発売するほど歌が上手なニトリの似鳥昭雄会長なども登場し、会場を熱狂の渦に巻き込みました。
さらに、鈴木氏が還暦を過ぎてから極めたものがもう一つあります。それは大人のスポーツとして人気のゴルフです。65歳から「シングルプレーヤーになりたい」という強い目標を掲げ、再びネットのレッスン動画で研究を重ねました。ゴルフにおける「シングル」とは、コースごとの規定打数(パー)に対して、自身の平均スコアの上振れを示すハンディキャップが1桁(9以下)である上級者を指します。全体の数パーセントしか到達できないこの狭き門に、鈴木氏は見事67歳という年齢で到達したのです。
何歳になっても目標を掲げ、純粋に楽しみながら上達を目指す鈴木氏のライフスタイルは、私たちに「挑戦に遅すぎることはない」という大切な真理を教えてくれます。プロ級と噂されるベースの腕前について本人は謙遜していますが、何よりも「本人が楽しんでやっていることが一番」という姿勢こそが、周囲を惹きつける最大の魅力なのでしょう。何事にも情熱を注ぐその生き方は、現代のシニア世代だけでなく、あらゆる世代のビジネスパーソンにとって最高の模範となるはずです。
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