いよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催を来年に控え、日本中が熱気と期待に包まれていますね。政府は2020年に向けて、海外から日本へ訪れる観光客、いわゆる「インバウンド」を4000万人規模へと拡大し、旅行消費額8兆円を目指すという高い目標を掲げています。
インバウンド市場に一石を投じる新プロジェクト
そんな大きな盛り上がりを見せる観光市場において、非常に興味深い取り組みが2019年10月14日ごろから本格的にスタートしました。印刷業界のトップランナーである凸版印刷が、旅行業大手のクラブツーリズムと強力なタッグを組み、外国人観光客の隠れたニーズを掘り起こす実証実験を開始したのです。
今回のプロジェクトの鍵を握るのは、「デジタルクーポン」と「SNS」という現代ならではのツールです。スマートフォン上で手軽に利用できる電子的な割引券を活用し、旅行者が実際にどの観光地に足を運んだのかを正確に追跡していく画期的なシステムとなっています。
デジタル技術が暴く「本当のニーズ」
具体的な対象となるのは、クラブツーリズムが企画する外国人向けツアーに参加する約1000人の旅行者たちです。彼らに対して、JR大阪駅周辺や京都府宮津市の天橋立など、人気の観光名所8カ所で使える特別なクーポンを配布し、2019年12月31日までの期間にわたって利用状況のデータを収集する計画となっています。
さらに注目すべきなのが、インターネット上で交流するサービスである「SNS」の解析です。旅行者が感動した景色などを投稿する「インスタグラム」や、短い文章をつぶやく「ツイッター」上のデータを同時に分析することで、彼らの本当の興味や関心を探り出そうという斬新な試みです。
インターネット上でも、この最先端のアプローチに対して「アンケートより確実な本音が分かりそう!」「日本の隠れた魅力が世界に発信される良いきっかけになるのでは」といった期待の声や好意的な反響が数多く見受けられます。最新技術の活用に、多くの人が熱い視線を注いでいる証拠と言えるでしょう。
データが創る「新しいおもてなし」の形
これまで主流だったツアー終了後の紙によるアンケート調査では、どうしても回答率が低かったり、記憶が曖昧になってしまったりといった大きな壁が存在していました。しかし、今回のデジタル情報を駆使した手法であれば、そうした弱点を鮮やかに克服し、無意識の行動からより精度の高いニーズを把握できるようになるはずです。
私自身、これからの観光産業において、こうしたデータに基づいたアプローチは絶対に不可欠だと確信しています。単に有名な観光地へ案内するだけでなく、旅行者一人ひとりの心に響くパーソナライズされた体験を提供することこそが、次世代の真の「おもてなし」へと昇華していくのではないでしょうか。
凸版印刷は今後、この実証実験から得られた貴重な分析結果を、新たなツアー商品の開発や自治体向けの施策提案として提供し、ビジネスとしての商用化を目指していく構えです。2020年以降も、日本を愛し何度も訪れてくれるリピーターを増やし続けるための強力な武器となることでしょう。
コメント