地方副業がキャリアの特効薬に?都市部ミドル層のスキルを眠らせない「関係人口」という新潮流

都会の大手企業で責任ある立場を務める40代から50代のミドル層の間で、今、劇的な変化が起きています。それは、長年培ってきた高度なスキルを携えて、地方の中小企業で「副業」を始めるという新しい働き方です。2019年10月30日現在、パソナグループなどの人材大手や意欲的なスタートアップ企業が、この分野に続々と参入しています。

SNS上では「本業以外の場所で自分の実力を試したい」「愛着のある地域に貢献したい」といったポジティブな声が目立ちます。中高年層にとって、副業は単なるお小遣い稼ぎではなく、自身の市場価値を再確認し、現役の「プレーヤー」として輝き続けるためのキャンバスとなっているようです。この動きは、都市部と地方の新しい絆を生む予感がします。

スポンサーリンク

リモートワークが橋渡しする都市と地方の新しい関係

具体的な事例を見てみましょう。横浜市のアウトドアメーカーでIT部門の管理職を務める45歳の男性は、2019年5月14日から長野県白馬村での副業を開始しました。月に2回ほどの現地訪問と、オンラインでの会議を組み合わせることで、本業と両立しながら月額約10万円の報酬を得ています。これはテレワークが普及し始めた現代ならではの光景です。

ここで鍵となる「テレワーク」とは、場所や時間にとらわれずに働く形態を指します。かつては移住しなければ不可能だった地方での仕事が、デジタル技術によって「通い」や「在宅」で完結できるようになりました。心理的なハードルが下がったことで、東京に住みながら地方企業の経営課題を解決するという、スマートな社会貢献が実現しています。

一方、地方企業側も切実な悩みを抱えています。調査によれば、中小企業の6割以上が「即戦力となる専門人材」の不足を嘆いており、その最大の理由は、地域内に求めるスキルを持つ人がいないことです。こうしたミスマッチを解消する切り札として、都市部ミドル層の知見を「シェア」する副業サービスが、地方創生のエンジンとして期待されています。

自治体も熱視線!専門スキルで地域をアップデートする時代

この潮流は民間企業に留まらず、行政の現場にも波及しています。例えば長野県塩尻市では、2019年11月1日から「特任CMO(最高マーケティング責任者)」などの公募を開始します。CMOとは、組織の市場戦略を統括する非常に高度な役職のことです。これを外部の副業人材に託すという決断は、自治体経営に民間の革新的な視点を取り入れる画期的な試みです。

私は、この「地方副業」の広がりこそが、日本経済の閉塞感を打破する鍵だと確信しています。大企業に眠る優秀な知見が、人手不足に悩む地方へ還流することで、双方がwin-winの関係になれるからです。また、組織の肩書きを外した一人のプロとして勝負する経験は、ミドル層のキャリアにおける「最高のアンチエイジング」になるのではないでしょうか。

2018年以降、ソフトバンクやロート製薬といった名だたる企業が副業を解禁したことで、人材の供給源はかつてないほど豊かになっています。移住という大きな決断を下す前に、まずは副業から地域に関わる。そんな「関係人口」としての関わり方が、令和のスタンダードなキャリア形成として定着していくに違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました