2019年10月30日、関西のビジネスシーンに一石を投じる熱い提言がなされました。新卒ダイレクトリクルーティングサービスを展開する株式会社i-plugの代表取締役、中野智哉氏が語る、関西スタートアップ界の現在地と未来図です。スマレジのような有望な企業のIPO(新規株式公開)が相次ぐ一方で、現場の起業家たちが抱える切実な課題が浮き彫りになっています。
中野氏が最も危惧しているのは、投資を先導する「リードインベスター」の圧倒的な不足です。リードインベスターとは、複数の投資家を取りまとめ、投資条件の交渉や成長支援を主体的に担う役割を指します。現在の関西では、自ら企業の価値を見極める「目利き」が少なく、他者の評価を待ってから動く後追い型の投資が目立つのが現状でしょう。
東京のベンチャーキャピタルが主導して投資が行われると、成功した際のリターンもまた東京へ流れてしまいます。こうした資金の流出が続けば、10年後や20年後の関西経済にとって計り知れない損失となるに違いありません。地域内で資金が循環する「エコシステム(生態系)」、つまり起業家が成功し、その利益が次の挑戦者へ還元される仕組みづくりが急務です。
SNS上では「関西の投資環境の薄さは確かにもどかしい」「中野氏の指摘は非常に鋭い」といった共感の声が広がっています。個人投資家であるエンジェル投資家の活動には限界があり、企業の内部留保を眠らせている大手企業の参画が期待されているのです。経済団体が中心となり、企業と連携した投資ファンドを設立するというアイデアは、非常に現実的で魅力的な解決策と言えるのではないでしょうか。
「点の活動」を「面の力」へ!物理的なコミュニティ形成が鍵
もう一つの大きな課題は、スタートアップ拠点の分散化です。東京では渋谷や六本木のように「ここに行けば起業家に会える」という象徴的な街が存在しますが、関西では梅田や本町、西中島、難波といったエリアに企業が点在しています。物理的な距離があることで、起業家同士の偶発的な出会いや、切磋琢磨するコミュニティが育ちにくい状況にあるのです。
自治体が旗振り役となって、特定のエリアを「起業家の街」としてブランディングし、誘致を進めるべきだとの主張には説得力があります。私自身、イノベーションは孤立した場所ではなく、熱量を持った人々が密集する場所でこそ生まれるものだと確信しています。関西が持つポテンシャルを最大限に引き出すためには、今こそ官民一体となった大胆な「街づくり」が必要なのです。
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