2019年11月1日は、北海道の冬の風物詩ともいえるお歳暮商戦が華々しく幕を開けた記念すべき日となりました。札幌市内の主要な百貨店4店舗では、この日に合わせて特設のギフトセンターを設置し、威勢の良い出陣式を行うことで初日の売り場を熱気で包み込んでいます。
令和初となる今回の商戦において、各社が共通して熱い視線を送っているキーワードが「イエナカ需要」です。これは、外食を控えて自宅で家族や友人と贅沢な時間を過ごすライフスタイルのことで、消費税増税などの社会背景も相まって、今まさに大きな注目を集めているトレンドといえるでしょう。
SNS上では「自分へのご褒美にお歳暮を買いたい」「家で美味しいものを食べられるセットは嬉しい」といった声が上がっており、従来の「贈る」文化から「自宅で楽しむ」文化へのシフトが鮮明になっています。
丸井今井と札幌三越が提案する「北海道の強み」と芸術の融合
2019年11月1日に合同出陣式を執り行った札幌三越と丸井今井札幌本店は、それぞれの個性を生かしたラインナップで攻勢をかけています。札幌三越では、東京国立博物館などが所蔵する名画をパッケージにあしらったプレミアムなビールなど、視覚的にも楽しめるオリジナル商品が並びました。
一方、丸井今井が展開する人気セレクトショップ「きたキッチン」では、豊富町の温泉旅館が手掛ける話題の「フレーバーバター」に注目が集まっています。これはバターにハーブやフルーツなどの風味を加えた加工食品で、パンに塗るだけで食卓が華やぐ逸品として、感度の高い層から支持されています。
さらに両店は、お湯を注ぐだけで本格的な味が楽しめるパスタソースや中華のセットなど、家事の負担を減らしつつ質を落とさない「時短かつ贅沢」な自宅用ギフトを豊富に揃えているのが印象的です。
大丸と東急が仕掛ける「個食」と「シカゴピザ」のインパクト
札幌駅前の激戦区に位置する大丸札幌店と東急百貨店札幌店も、独自の戦略で来店客を惹きつけています。大丸札幌店が2019年の目玉として打ち出したのは、厚い生地の中に溢れんばかりのチーズと野菜を詰め込んだ「シカゴピザ」や、手軽に北の味覚を楽しめるタコしゃぶのセットです。
東急百貨店札幌店では、共働き世帯や高齢者世帯を意識した「小分け」のニーズに徹底して応えています。レンジで温めるだけで老舗料亭の味が再現できる焼き魚や煮魚の詰め合わせなど、利便性の高い85品もの「冬のお買い得品」を展開し、自家需要の取り込みに余念がありません。
編集者としての私見ですが、お歳暮はもはや形式的な社交辞令ではなく、一年の締めくくりに「美味しい体験」を共有するイベントへと進化しています。北海道の豊かな食材が、洗練されたパッケージや調理の簡便さを纏うことで、新しい冬の楽しみ方を提示している点は非常に素晴らしいと感じます。
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