2019年8月、東京・浅草の浅草寺ほど近くに、まるでお菓子屋さんのような遊び心溢れる空間が誕生しました。その名は「Liquem(リキュエム)」。一歩足を踏み入れると、壁際の棚には小さなボックスが整然と並び、駄菓子をすくうためのスコップまで用意されているから驚きです。しかし、そこに並んでいるのは甘いお菓子ではなく、乙女心を激しく揺さぶる色鮮やかなアクセサリーたちなのです。
デザイナーを務める若月円佳さんは、美術大学を卒業後にアパレルや通販業界で広報のキャリアを積んできました。2015年にアクセサリーメーカーのVHFへ入社したことが転機となり、自身の感性を形にするモノづくりの道へと進みます。長らく続いたシンプルで落ち着いたファッションの流行に対し、「そろそろ、心躍るような華やかな装いが求められているはず」と直感した彼女は、2017年にこのブランドを立ち上げました。
リキュエムの作品には、樹脂やガラスを用いた透明感のある素材が多用されています。カクテルのチェリーを彷彿とさせるピアスや、カプセルトイから飛び出してきたようなキッチュな指輪など、どこか懐かしくも新しいデザインが特徴的です。SNSでは「可愛すぎて選べない」「実物を見ると全種類集めたくなる」といった熱狂的な投稿が相次ぎ、オンラインショップや期間限定店では常に高い注目を集めてきました。
リアル店舗で体感する、自分だけの「可愛い」を探す贅沢な時間
これまではネット販売が中心でしたが、ファンの熱い要望に応える形で待望の実店舗がオープンしました。ここでは、1時間を超えるほど真剣に悩んでお気に入りを見つける方や、一度に10点もまとめ買いをする熱心なファンも珍しくありません。若月さんが大切にしている「女子心をくすぐる」というコンセプトが、浅草という歴史ある街で新しい化学反応を起こしているのでしょう。
私がこの記事を読んで感じたのは、若月さんの戦略的な視点の鋭さです。単に「可愛い」を追求するだけでなく、広報経験で培った「市場が何を求めているか」という客観的な視点があるからこそ、多くの女性の共感を得られているのだと確信します。ミニマリズムが飽和した現代において、こうした自己表現を爆発させるようなアイテムは、私たちの日常に彩りを与える救世主のような存在と言えるかもしれません。
2019年11月4日現在、浅草の店舗は早くも感度の高い女性たちの聖地となりつつあります。誰に遠慮することもなく、自分の「好き」を貫くことの素晴らしさを、若月さんのアクセサリーは教えてくれます。仕事や家事で忙しい毎日を送る大人世代にこそ、この宝石箱のようなショップに足を運び、童心に帰ってアクセサリー選びを楽しんでいただきたいと心から願っています。
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