2019年11月04日の午後、日本を代表する観光地である岐阜県大野郡白川村の「白川郷」から、緊迫した火災の報せが届きました。午後2時40分ごろ、付近の住民から「小屋が燃えている」との緊急通報があり、現場は一時騒然とした雰囲気に包まれたそうです。幸いなことに、この火事による怪我人は確認されておらず、まずは胸をなでおろす状況といえるでしょう。
火災が発生したのは、集落の玄関口として多くの観光客が利用する村営「せせらぎ公園」の駐車場内でした。この場所にある物置と配電設備の小屋2棟が全焼しましたが、懸命の消火活動によって約2時間後には火の勢いが収まっています。燃えた小屋はいずれも「かやぶき屋根」で作られていましたが、これらは文化財には指定されていない建物であったことが判明しました。
SNS上では、遠くからでも確認できる黒煙の画像が拡散され、「世界遺産が燃えているのではないか」と多くの人々が不安の声を上げていました。しかし、火元は合掌造り集落の中心部から庄川を挟んで約400メートル離れた対岸だったため、貴重な歴史的建造物への延焼は免れています。ネット上では「伝統を守るために尽力した方々に感謝したい」といった安堵の声が広がっています。
伝統を守る盾!放水銃59基がフル稼働した緊迫の瞬間
今回の火災で注目すべきは、白川村が即座に判断した「放水銃(ほうすいじゅう)」の稼働要請です。放水銃とは、火災時に大量の水を遠くまで飛ばして、延焼を防ぐために設置された大型の消火装置のことを指します。白川郷では、乾燥しやすい「かやぶき屋根」を守るため、集落のあちこちにこの設備が配備されており、今回は計59基が同時に作動しました。
住民たちは自らの手で放水銃を操り、火の粉が歴史的な建物に燃え移らないよう、屋根全体を水で濡らす防御策を講じました。この迅速な「自衛消防」の精神こそが、世界遺産を長年守り続けてきた原動力なのでしょう。編集部としても、日頃からの訓練が結実したこの見事な対応には、深い敬意を表さずにはいられません。文化財保護のあり方として、非常に優れた模範を示したといえます。
白川郷では2019年11月01日から秋の紅葉ライトアップが始まったばかりでしたが、この事態を受けて11月04日の夜のイベントは急遽中止が決定しました。観光を楽しみにしていた方々には残念なニュースですが、安全確保が最優先であることは間違いありません。今後、原因の究明が進むとともに、一日も早く穏やかな日常と美しい夜景が戻ることを切に願っています。
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