アルミ需要に明暗!2019年度上期の出荷量は2年連続マイナスも「自動車・建設」が支える背景とは

日本アルミニウム協会が2019年11月1日に発表したデータによると、2019年度上期(2019年4月1日から2019年9月30日まで)のアルミ圧延品の総出荷量は、前年同期と比べて3%減少する結果となりました。総出荷量は96万7230トンに留まり、2年連続で前年度の実績を下回る厳しい状況が続いています。この「アルミ圧延品」とは、アルミニウムの塊を大きなローラーで薄く延ばした「板」や、金型から押し出して複雑な形状を作る「押し出し品」の総称を指しており、私たちの身の回りにある多くの工業製品の基礎となる材料です。

今回の需要低迷の大きな要因となっているのは、ハイテク産業の心臓部ともいえる半導体分野の失速でしょう。特に半導体を作るための装置に使われる板材の需要が大きく落ち込んでおり、一般機械向け出荷は20.4%減という衝撃的な数字を記録しています。SNS上でも「IT景気の冷え込みがダイレクトに素材産業へ波及している」といった、先行きの不透明感を懸念する声が散見されます。世界的な経済情勢の影響を受けやすい輸出についても、現地生産の拡大を背景に9.9%減少しており、4年連続のマイナスという出口の見えないトンネルが続いています。

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軽量化の波に乗る自動車向け需要と防災意識の高まり

一方で、すべての分野が沈んでいるわけではありません。暗いニュースの中でひときわ輝きを放っているのが自動車産業向けの需要です。電気自動車(EV)へのシフトや燃費向上を目的とした「軽量化」のトレンドにより、鉄からアルミへの素材置換が加速しています。その結果、自動車向け出荷は11.8%の大幅なプラスを記録しました。また、私たちの生活を守る建設分野でも、防災用フェンスなどの需要が堅調に推移しており、建設向けは2.4%の増加を見せています。

私個人の見解としては、今回の統計はまさに「産業構造の変化」を象徴していると感じます。半導体や輸出といった従来の牽引役が苦戦する一方で、環境対応や防災といった新しい時代のニーズが確実にアルミ需要を支えています。短期的には厳しい局面が予想されるものの、カーボンニュートラルに向けた軽量化素材としての価値は、今後ますます高まっていくに違いありません。目先の減少に一喜一憂せず、どの分野が次世代の主役になるのかを見極める視点が、今の製造業界には求められているのではないでしょうか。

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