カタログ通販の老舗として知られるディノス・セシールが、これまでの「紙」の概念を大きく変えようとしています。同社は2019年11月08日、印刷スタートアップの株式会社グーフへの出資を公表しました。この提携の狙いは、顧客一人ひとりの興味や行動に合わせた「パーソナライズDM」の送付をより強力に推進することにあります。
パーソナライズDMとは、すべての顧客に同じ内容のチラシを送るのではなく、Webサイトの閲覧履歴や過去の購入傾向に基づき、その人が「今、本当に欲しいもの」だけを掲載した特別なダイレクトメールのことです。デジタル広告が溢れる現代だからこそ、手に取れる「紙」という媒体の価値が、データサイエンスによって再定義されています。
驚異の購入率20%アップ!ネットと紙を融合させる最新戦略
驚くべきことに、デジタルでの閲覧履歴を即座に紙のDMへと反映させる試みにより、購入率が20%も向上したという確かな実績が報告されています。SNS上でも「ネットで見ていた商品がピンポイントでハガキで届いて驚いた」「自分だけのカタログが届くのは特別感がある」といったポジティブな反応が相次いでおり、顧客体験の質が劇的に変化していることが分かります。
今回の出資先であるグーフ社は、デジタルデータを素早く印刷物へと変換する技術に長けています。これまでは印刷物の製作に数週間を要するのが一般的でしたが、この技術を活用すれば、ユーザーの熱が冷めないうちに最適な情報を届けることが可能です。まさに「ネットの即時性」と「紙の訴求力」を融合させた、次世代のマーケティング手法と言えるでしょう。
ディノス・セシールは自社独自の技術に固執する「自前主義」から脱却し、AIやセキュリティ分野のスタートアップへの投資も2019年11月08日現在、加速させています。外部の革新的なリソースを柔軟に取り入れる姿勢は、既存事業のブラッシュアップだけでなく、未知の領域での新規事業創出に向けた強い決意の表れだと考えられます。
私個人の視点としても、この戦略は極めて合理的で未来志向なものだと感じます。情報の海に溺れる消費者は、自分に関係のない大量の広告を拒絶する傾向にありますが、自分専用にカスタマイズされた価値ある情報であれば歓迎するはずです。デジタル技術を駆使して「温かみのある紙媒体」を復活させるこの挑戦は、業界全体に大きな一石を投じることになるでしょう。
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