2019年11月22日、国内の主要な生命保険各社による2019年4月〜9月期の中間決算が出そろいました。今回の発表では、業界全体に漂う厳しい逆風が鮮明に浮き彫りとなっています。売上高に相当する「保険料等収入」に目を向けると、大手9グループのうち5社が減収に転じるという衝撃的な結果となりました。これまで各社の業績を力強く牽引してきた成長エンジンが、急激にその勢いを失いつつあるようです。
業績悪化の最大の要因として挙げられるのは、主力商品であった「外貨建て保険」の販売不振に他なりません。これは日本円よりも高い金利が期待できる米ドルや豪ドルなどで運用する保険商品ですが、世界的な景気減速への懸念から海外金利が大きく低下したことが、消費者の購買意欲に冷や水を浴びせました。SNS上でも「予定利率が下がって魅力がなくなった」といった、投資対象としてのメリットを感じにくくなったユーザーの嘆きが散見されます。
本業の稼ぎを圧迫する低金利の荒波と、問われる生保の真価
保険会社の本業における実力を示す指標を「基礎利益」と呼びます。これは一般企業の営業利益に相当する重要な数字ですが、今回の決算では調査対象となった生保7社が軒並み減益を記録しました。海外の金利低下は、商品の魅力だけでなく資産運用そのものの難易度を劇的に引き上げています。運用環境の悪化という避けられない壁に対し、各社は今、これまでのビジネスモデルの見直しを余儀なくされている状況と言えるでしょう。
編集者としての私見を述べさせていただくと、今回の決算結果は「貯蓄から投資へ」という流れの難しさを改めて露呈したと感じます。高利回りを謳い文句に急成長した外貨建て保険ですが、市場の変動リスクを改めて認識させる形となりました。消費者は目先の数字だけでなく、複雑な為替や金利の仕組みを理解する「金融リテラシー」が試されています。一方、生保各社には単なる利回りの提供を超えた、生命保険本来の保障の価値が改めて問われているのです。
2019年11月23日時点の情勢を鑑みると、この金利低下の局面は短期間で解消されるとは考えにくいでしょう。ネット上では「強引な勧誘が減ってちょうどいい」といった厳しい声も上がっていますが、これは健全な市場形成に向けた自浄作用とも捉えられます。不確実性が高まる現代において、私たちは情報の波に飲まれることなく、自身のライフプランに基づいた冷静な選択を心がける必要がありそうです。
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