SNSが加速させる「NO JAPAN」の衝撃。韓国の若者がゲーム感覚で主導する不買運動の深層とは?

2019年7月、日本政府による韓国への輸出管理運用の見直しが発表されました。これを端緒として韓国全土に広がった日本製品不買運動は、開始から約4カ月が経過した2019年11月25日現在もなお、収束の兆しを見せない異例の事態となっています。過去の事例では、不買運動が起きても2カ月ほどで沈静化するのが通例でしたが、今回の長期化にはこれまでにない新しい要因が潜んでいます。

その中心にいるのが、デジタルネイティブ世代である20代から30代の若者たちです。これまでの不買運動といえば、特定の市民団体が主導する街頭でのデモ行進といった「オフライン」の活動が主流でした。しかし、現在はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を舞台にした「オンライン」での行動へと劇的に変化しています。SNSとは、登録した利用者同士が情報を共有し、交流を深めるWeb上の仕組みのことですが、これが運動の熱を保ち続ける装置となっているのです。

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「炎上」を共有し、不買をコンテンツ化する若者たち

現代の若者たちは、日本企業の不適切な言動やミスを「炎上ネタ」として、まるでゲームを楽しむかのような感覚で共有し続けています。SNS上で大きな注目を集め、批判が殺到する状態を指す「炎上」が次々と連鎖することで、不買運動に対する関心が途切れることなく持続しているのです。このデジタル空間での熱狂が、従来の運動にはなかった「継続性」を支えていると言えるでしょう。

象徴的な事例となったのが、2019年10月中旬にユニクロが公開したCMを巡る騒動です。英語の台詞では単に「昔のこと」としていた部分が、韓国語の字幕では「80年以上前」と具体的な年代を強調する表現に意訳されていました。これが「従軍慰安婦問題を嘲笑している」としてSNSで瞬く間に拡散されたのです。批判の声はネットを飛び出し、店舗前での抗議活動にまで発展。結果としてユニクロはCM中止を余儀なくされました。

経済への深刻な打撃と、韓国内で見え始めた「冷静な声」

不買運動の影響は、数字となってはっきりと現れています。ビールや自動車といった日本の主要な消費財の対韓輸出は激減し、日本を訪れる韓国人観光客の数も大幅に落ち込んでいます。SNS上でも「日本へ行くのは控えるべきだ」という同調圧力に似た空気感が漂っており、日本経済への影響は日を追うごとに深刻さを増しています。

一方で、この状況を危惧する声も韓国内から上がっています。現地の旅行代理店や航空会社、さらには日本食を扱う飲食店などは、客足の激減による経営難を訴えています。また、日本企業の撤退に伴う雇用の喪失を懸念する報道も一部で見られるようになりました。日韓の政治的対立は出口が見えない状況ですが、こうした韓国内の冷静な意見が、感情的な対立を和らげる鍵となるのではないでしょうか。

情報が瞬時に拡散される現代において、企業の些細な振る舞いが国境を越えた大きな火種となり得ることを、私たちは再認識すべきだと感じます。政治の問題が民間交流にまで深く影を落とす中、双方がいかにして「冷静な対話」の糸口を見出していくかが問われています。

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