日本の財政が大きな分岐点を迎えています。2019年11月25日、財務相の諮問機関である財政制度等審議会は、2020年度の予算編成に向けた「建議」を麻生太郎財務相へ提出しました。この意見書が突きつけたのは、膨れ上がる予算に対する強い危機感です。
長引く低金利の環境に甘んじることなく、支出の無駄を徹底的に削ぎ落とすべきだと、審議会は厳しく指摘しています。特に、国の政策経費を税収等で賄えているかを示す「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」の黒字化目標は、何としても2025年度に達成すべきとの立場です。
SNS上では「将来の世代にツケを回さないでほしい」という切実な声が上がる一方で、「社会保障が削られるのは困る」といった生活不安を訴える意見も目立ちます。財政の健全化と国民生活の維持という、非常に難しいバランスが今まさに問われているといえるでしょう。
医療費の「公定価格」にメス?立ちはだかる改革の壁
今回の建議で焦点となったのが、医療サービスの価格である「診療報酬」の改定です。審議会は、医師の技術料などに相当する本体部分について、マイナス改定を行うよう明確に求めました。これまでの伸びが賃金や物価の動向と比較して、過剰であると判断したためです。
しかし、この踏み込んだ提案に対しては、関係省庁や特定の権益を守る「族議員」からの激しい抵抗が予想されます。社会保障費の抜本的な見直しは、少子高齢化が進む日本にとって避けては通れない課題ですが、その実現への道筋は依然として不透明なままです。
私自身の見解としては、現在の低金利を「当たり前」と捉えるのは非常に危険だと考えます。金利が上昇に転じた際、膨大な借金は一気に国力を削ぐ刃となります。今こそ痛みを伴う改革を断行し、持続可能な社会の骨組みを再構築すべき時期に来ているのではないでしょうか。
今後、財務省は各府省庁との間で激しい予算調整の局面に入ります。2019年11月25日の建議が、単なる「理想論」で終わってしまうのか、それとも実効性のある改革への第一歩となるのか。国民一人ひとりが、税金の使い道に鋭い視線を注ぐことが求められています。
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