2019年11月26日の東京貴金属市場において、白金(プラチナ)先物相場が力なく続落する展開を迎えました。先週、白金の国際調査機関が発表した2020年の世界需給見通しが、市場関係者の間に大きな波紋を広げているようです。その内容は、来期の需給が大幅な「供給過剰」に陥るというショッキングな予測でした。
特に投資家たちの売りを加速させた要因は、白金の主要な用途である「自動車触媒」向けの需要が4年連続で減少するという見通しです。自動車触媒とは、エンジンの排気ガスに含まれる有害物質を化学反応によって浄化する装置のこと。環境保護には欠かせない存在ですが、この分野での需要減退は白金市場にとって極めて深刻な打撃といえるでしょう。
SNS上では、このニュースを受けて「プラチナの時代は終わってしまうのか」「実需の弱さが浮き彫りになった」といった悲観的な声が目立っています。かつては金(ゴールド)よりも高価だった白金が、これほどまでに苦戦を強いられる状況に、時代の移り変わりを実感せずにはいられません。市場のセンチメントは非常に冷え込んでいます。
私自身の見解としては、この需要減少の背景にはディーゼル車から電気自動車(EV)への急速なシフトがあると考えています。排ガスを出さないEVには、当然ながら触媒が必要ありません。白金が再び輝きを取り戻すためには、燃料電池車(FCV)への活用など、従来の枠組みを超えた新しい技術革新による需要の創出が急務となるはずです。
現在は、世界的な供給過剰リスクを市場が必死に織り込もうとしている過渡期にあります。2020年に向けて、価格の底打ちが見えるのか、あるいはさらなる下落が待っているのか。投資家にとっては、供給側の生産調整や環境規制の動向をより一層注視すべき、極めて神経質な局面が続くことになりそうです。
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