2019年11月26日、東京商品取引所の金先物市場は3営業日続けて値を下げる展開となりました。前日である2019年11月25日の清算値は、前週末と比較して15円安い1グラム5096円を記録しています。長引く米中貿易摩擦に緩和の兆しが見え始めたことで、投資家の心理がリスクオンへと傾き、これまでの「安全資産」としての金需要が一段落した形です。
SNS上では、この価格下落を受けて「底値を見極めたい」という慎重な声がある一方で、「買い増しのチャンスが来た」と意気込む投資家の投稿も目立っています。金は政治や経済の不安が高まると買われる性質を持つため、情勢が安定に向かうと売られやすくなるのです。今回の動きは、まさに米中両国の歩み寄りを敏感に察知したマーケットの反応と言えるでしょう。
価格下落の大きな要因は、米中首脳による前向きな発言にあります。2019年11月22日、中国の習近平国家主席が合意への意欲を示すと、同日にトランプ米大統領も「合意は極めて近い」と言及しました。これにより、年末までに何らかの進展があるとの見方が強まったのです。世界を揺るがせた通商協議が解決に向かうとの期待が、金の売りを加速させたのは間違いありません。
また、国際的な指標であるニューヨーク金先物も、2019年11月25日夕方の時間外取引で、約2週間ぶりの安値となる1トロイオンス1458ドル前後で推移しました。ここで注目すべきは、景気の先行指標とされる「PMI(購買担当者景気指数)」です。これは企業の購買担当者にアンケートを行い、景況感を数値化したもので、50を上回ると景気が良いと判断されます。
2019年11月22日に発表された11月の米製造業PMI速報値は、市場の予想に反して改善を見せました。これによりドルの価値が相対的に高まり、ドル建てで取引される金にとっては割高感が生じ、さらなる下押し圧力となったのです。個人的には、目先の合意期待だけで判断するのは早計だと考えますが、現在の強いドルと良好な経済指標が、金価格の重石となっている現実は無視できません。
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