2019年7月、NYダウが史上最高値を更新!景気後退のサイン「逆イールド」と並走する異常事態の真相とは

2019年07月03日のニューヨーク株式市場は、投資家にとって非常に印象深い一日となりました。ダウ工業株30種平均が約9カ月ぶりに過去最高値を塗り替えただけでなく、S&P500種株価指数やナスダック総合指数も揃って史上最高値を更新したのです。

今回の株高を力強く後押ししたのは、世界的な「金融緩和」への期待感に他なりません。中央銀行が金利を下げることで、市場に資金が流れやすくなる状況を投資家が歓迎しています。特に欧州中央銀行の次期総裁にラガルド氏が指名されたことが、大きな転換点となりました。

このニュースを受けて、欧州の金利指標であるドイツの10年物国債利回りはマイナス圏で過去最低を更新しています。金利が極限まで低下したことで、より高い収益を求める投資家のマネーが、債券から株式というリスク資産へと一気に流れ込む形となりました。

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「不吉な予兆」との奇妙な同居

しかし、この華やかな最高値更新の裏側には、無視できない「危うさ」が潜んでいます。米国市場では2019年05月下旬から、長期金利が短期金利を下回る「長短金利の逆転(逆イールド)」という現象が1カ月以上にわたって定着しているからです。

通常、お金を長く貸す長期金利の方が高くなるのが自然ですが、これが逆転するのは将来の景気後退を示す強力なサインとされています。2019年07月03日には米10年国債利回りが一時1.94%まで沈み、景気の先行きに対する市場の不安が露呈しました。

投資家たちの間では「予防的利下げ」という言葉が飛び交っています。これは景気が本格的に悪化する前に、米連邦準備理事会(FRB)が先手を打って金利を下げることを指します。パウエル議長がこの姿勢を見せたことが、現在の株高を辛うじて支えている状況でしょう。

SNS上では「株価が上がっているのに、なぜか手放しで喜べない」「実体経済の冷え込みが怖い」といった慎重な意見が相次いでいます。一方で「金利が下がるなら株を買うしかない」という背に腹は代えられない切実な声も多く、市場は複雑な熱気に包まれています。

主役交代?ディフェンシブ銘柄へのシフト

市場の警戒感は、買われている銘柄の顔ぶれにも現れています。かつての株高を牽引したアップルやアルファベットといったハイテク巨頭は勢いを欠き、代わりにプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やマクドナルドといった銘柄が上昇の上位に並んでいます。

これらは「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、景気が悪くなっても需要が減りにくい日用品やサービスを提供する企業の株です。投資家たちが華やかな成長よりも、確実な安定を求めて守りの姿勢を強めていることが、この銘柄選びからも透けて見えてきますね。

さらに、企業の景況感を占う「PMI(購買担当者景気指数)」も懸念材料です。PMIとは企業の購買担当者にアンケートを行い、景気の方向性を数値化したもので、50を上回れば好況、下回れば不況と判断されますが、製造業では2カ月連続で50を割り込んでいます。

私自身の見解としては、現在の市場はまさに「薄氷の上のダンス」を踊っている状態だと感じます。トランプ大統領によるFRBへの露骨な利下げ圧力も続いており、政治的な思惑が経済のファンダメンタルズを歪めている側面は否定できないのではないでしょうか。

2019年の後半戦に向けて、この不自然な株高がどこまで続くのかは予断を許しません。企業の利益成長が鈍化する中で、金利低下という魔法だけで株価を維持するには限界があります。読者の皆様も、今の高揚感に惑わされず、冷静な視点を持つべき時期でしょう。

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