中東緊迫でも株価急上昇?世界景気を変える「4サイクル景気」の謎と2020年投資戦略の全貌

緊迫化する中東情勢のニュースを受け、2020年1月6日の大発会は全面安の波乱の幕開けとなりました。しかし、その翌日である2020年1月7日の東京株式市場は一転してほぼ全面高の展開を迎えています。前日の米国市場が反発したことで、世界経済は底を打って回復へと向かうという前向きな見方が市場を支配しました。SNS上でも「これほどの回復力は予想外」「地政学リスクは一時的だったのか」といった驚きの声が相次いで投稿されています。

今回の株価急反発を後押ししたのは、海外から届いた経済指標の改善です。調査会社が発表した2019年12月の米国サービス業PMI(購買担当者景気指数)の改定値が上方修正されました。PMIとは、企業の購買担当者にアンケート調査を行い、景気の動向を100点満点で数値化した指標のことです。50を上回ると景気拡大、下回ると景気後退を示しますが、欧州の指標も軒並み予想を上回り、イランを巡る過度な警戒感を打ち消す形となりました。

世界中の投資家たちは、これまでの景気後退への恐怖を払拭し、手元の現金を株式などのリスク資産へと一気に振り向け始めています。ある調査によると、投資家の資金に占める現金の割合は約6年ぶりの低水準にまで急低下しました。しかし、私はこの急激な楽観論への傾斜に対して、少し冷静な視点を持つべきだと考えています。市場が「米国とイランの全面衝突は回避される」と確信している足元の状況は、やや楽観的に過ぎるのではないかと感じるからです。

市場の有識者からは、リーマン・ショック以降に続く未曾有の「4サイクル景気」への疑念もささやかれています。これは、一つの大きな景気拡大局面の中で、細かな加速と減速の波を4回も繰り返すという、過去100年間でも前例がない特異な現象のことです。過去に例がない以上、現在の景気拡大がこのまま維持されるのか、投資家たちの間でも確信が持てないのは当然です。企業の債務問題といった構造的なリスクが水面下で膨らんでいる点も見逃せません。

2020年の日経平均株価が2万7500円まで上昇すると見込む強気なヘッジファンドでさえ、実は密かに「最悪の事態」への備えを始めています。具体的には、企業の債務不履行に備える保険のような役割を持つ金融商品である、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を活用した新ファンドの設立です。世界の中央銀行が打ち出せる景気刺激策が限界に近づく中、数年以内に訪れるかもしれない危機を予測し、守りを固める動きは非常に賢明な判断と言えるでしょう。

前年の相場上昇に乗り遅れた投資家たちが、焦りから足元の買いを急いでいる側面も否定はできません。景気の先行きに対して前向きな姿勢を保ちつつも、発生確率は低いものの起これば壊滅的な被害をもたらす「テールリスク」への警戒を怠るべきではないのです。資産を増やす攻めの投資を意識する一方で、万が一の大暴落から資産を守るための保険をかけておくことこそが、激動の時代を生き抜く編集部おすすめの現代的な投資インテリジェンスです。

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