令和最初の5月も末日となった2019年05月30日、東京株式市場は重苦しい空気に包まれました。日経平均株価は前日の終値を下回り、続落という残念な結果で取引を終えています。この下落の引き金となったのは、やはり海の向こう、アメリカ市場の動乱です。前日の米国市場では、泥沼化する米中貿易摩擦への警戒感から株価が大きく値を下げており、その「売り」の流れがそのまま日本市場にも波及した形となりました。
投資家の心理を冷え込ませているのは、終わりの見えない米中の対立です。両大国のメンツをかけた争いが長期化すれば、世界経済全体が減速してしまうのではないかという懸念が、まるで暗雲のように市場全体を覆っています。トランプ政権の一挙手一投足に世界中が振り回される日々は、まだしばらく続きそうです。
「ディフェンシブ銘柄」すら売られる異常事態とSNSの悲鳴
今回の下落で特筆すべき点は、これまで堅調な値動きを見せていた「医薬品」や「食品」といったセクターまでもが売られたことです。通常、これらは景気が悪くなっても薬や食事の需要はなくならないため、「ディフェンシブ銘柄(景気防御株)」と呼ばれ、相場が不安定な時の避難先として好まれます。しかし、今日はその安全地帯すらも売りの対象となったのです。
これには、「これまで買われていて利益が出ていた銘柄を、今のうちに売って現金化しておこう」という投資家の利益確定の動きが働いていると見られます。SNS上では個人投資家たちから、「食品株なら大丈夫だと思っていたのに被弾した」「逃げ場がない、全面安だ」「令和相場、厳しすぎる」といった悲痛な叫びが相次いでいます。頼みの綱だった銘柄の崩れに、動揺が広がっているようです。
コラムニストとしての私見を述べれば、ディフェンシブ銘柄が売られるというのは、投資家心理が「リスク回避」から一歩進んで「現金確保」という守りの最終段階に入ったことを示唆しているように思えます。米中問題という政治的な不確実性が解消されない限り、どのような優良株であっても安心はできません。嵐が過ぎ去るのをじっと待つか、それとも果敢にリスクを取るか。投資家の胆力が試される局面と言えるでしょう。
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