日本政府は、次世代のエネルギーとして注目される「水素」の普及を目指し、世界の主要な資源国との連携を飛躍的に強化しています。この動きは、化石燃料への依存度を低減し、地球温暖化対策に貢献する「究極のクリーンエネルギー」への転換を加速させるものです。水素は、燃焼しても二酸化炭素(CO
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)を排出せず水だけを生成するため、環境負荷が極めて小さい点が最大の特長です。現状では他のエネルギー源と比較して供給コストが高いという課題があるものの、その将来性に各国が大きな期待を寄せています。
特に注目されるのが、サウジアラビアとの協力です。サウジアラビアは、原油販売への依存度を下げるべく国内産業の多角化を推進しており、原油からも生産が可能な水素エネルギーに大きな関心を寄せています。2019年6月17日には、世耕弘成経済産業相とサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が都内で会談し、「水素など新しい分野での協力も進めたい」との呼びかけが行われました。その具体的な一歩として、サウジアラムコという同国の国営石油会社が、今月中旬から水素を供給する「水素ステーション」の実証実験を開始しました。この実験には、日本のトヨタ自動車が誇る**燃料電池車(FCV)**が導入されており、水素活用の可能性が模索されています。日本は、原油から水素を取り出す技術の実用化など、技術面での全面的な協力を進める方針です。
💡日本の技術力が世界を変える:石炭・天然ガスからの水素製造
水素は、原油だけでなく、石炭や天然ガスといった化石燃料からも製造することが可能です。この事実は、豊富な化石燃料を埋蔵しながらも、環境配慮型での活用を模索している資源国にとって非常に魅力的な選択肢となっています。日本は、水素製造や輸送技術において世界でも高い水準を誇っており、これが国際連携を主導する大きな強みとなっています。
例えばオーストラリアでは、炭化が不十分で品位が低いとされる「褐炭」をガス化して水素を製造するプロジェクトが進められています。2020年度には、専用の設備を備えた船で日本への輸送実験が計画されており、2030年ごろの商用化を目指しています。また、ブルネイにおいても、これまで利用されていなかった天然ガスを水素に変換し、日本へ輸送する計画が進行中です。川崎重工業や千代田化工建設など、水素のプラント建設や輸送に強みを持つ日本の企業群が、この国際的な連携を技術力で支えています。
🚀高まる国際的な機運と日本の主導権:FCV普及の鍵
水素エネルギーの普及は、日本一国に留まらない国際的な潮流となっています。経済産業省など日米欧の当局は、2019年6月中旬に、水素分野での協力に関する共同宣言を発表しました。これは、長野県で開催された主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合に合わせて開催され、日本が水素開発を国際的に主導する姿勢を明確にアピールする場となりました。世耕経産相らが議長役を務めたG20の同会合でも、共同声明に水素関連の文言が盛り込まれ、国際的な連携の輪を広げるための重要なステップを踏み出しています。
特に、この国際的な協力の輪を広げることは、将来にわたり日本のエネルギー調達の安定化を支えるための重要な戦略であると経済産業省は捉えています。水素は、現状では供給コストが天然ガスなど他のエネルギーと比較して数倍に上るという採算性の課題に直面していますが、クリーンエネルギーとしての将来性が世界的な関心を集めているのです。例えば、中国は2030年までに燃料電池車(FCV)を100万台導入する目標を掲げており、その市場の大きさは計り知れません。日本は、FCVをはじめとする世界トップレベルの技術力を武器に、引き続き協力国を増やし、水素を軸としたクリーンエネルギーの国際協調をリードしていくことが重要だと考えます。
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