テスラがドイツに巨大工場建設へ!EVの聖地で始まる「黒船」の挑戦と自動車王国の行方

2019年11月12日、世界の自動車産業に激震が走りました。アメリカの電気自動車メーカーであるテスラのイーロン・マスク最高経営責任者が、ドイツのベルリン近郊に巨大生産拠点「ギガファクトリー」を建設すると発表したのです。この宣言は、ドイツの主要メディアが主催する権威ある表彰式「金のハンドル」賞の会場で行われ、詰めかけた業界関係者からは驚きの声が上がりました。

新工場は、ドイツの首都に隣接するブランデンブルク州にて、2021年末の稼働を目標に計画されています。ここでは最新のSUVモデルである「モデルY」や、心臓部となるリチウムイオン電池の製造が行われる見通しです。SNS上では「ついにテスラがドイツ車のお膝元に乗り込むのか」「欧州のEVシフトが加速する」といった、期待と興奮が入り混じった投稿が相次いでいます。

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苦悩する自動車王国ドイツの現状

伝統あるドイツの自動車業界は、現在非常に厳しい局面に立たされています。2015年に発覚したフォルクスワーゲンの排ガス不正問題以降、厳しい環境規制への対応と莫大なコスト負担が各社に重くのしかかっているからです。次世代の車社会を象徴するキーワードである「CASE」への対応も急務となっています。CASEとは、接続性、自動運転、シェアリング、電動化の頭文字を取った造語で、これからの車に必須の要素です。

2019年9月に開催されたフランクフルト国際自動車ショーでは、ドイツメーカー各社が電動車のコンセプトを競い合いました。しかし、速度無制限の高速道路「アウトバーン」を誇る国だけに、どこか既存のエンジン車への未練が感じられるのも事実でしょう。メルセデス・ベンツを擁するダイムラーが人員削減に踏み切るなど、急激な構造改革に伴う痛みが現場では現れ始めています。

テスラという「黒船」がもたらす化学反応

そんな中、ドイツのEV市場をリードしているのは、他ならぬテスラです。2019年1月から10月までのEV登録台数において、テスラは約9300台を記録して首位を独走しています。対するドイツ勢はBMWが約7900台で3位に食い込むのが精一杯という状況です。この数字からも、テスラが持つブランド力と技術革新のスピードが、いかに圧倒的であるかがお分かりいただけるはずです。

私は、このテスラの工場進出がドイツにとっての「令和の黒船来航」になると確信しています。伝統を守ることも大切ですが、破壊的なイノベーションを受け入れなければ、激変する世界市場では生き残れません。フォルクスワーゲンのディース社長がテスラとの協力に前向きな姿勢を見せているように、ライバルから学び、共生することで、ドイツ車は再び黄金時代を築けるのではないでしょうか。

雇用創出を期待する地元自治体の熱い誘致合戦を経て、いよいよ2019年11月、テスラのベルリン進出が現実のものとなりました。自国ブランドへの誇りが高いドイツの人々が、テスラの「モデルY」をどのように迎え入れるのか、非常に興味深いところです。この巨大工場の誕生が、ドイツ車が退路を断って真の電動化へと舵を切る大きな転換点になることは間違いないでしょう。

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