いきなり!ステーキが直面する正念場。ペッパーフードサービス赤字転落の真相と外食チェーン生き残りの鍵

かつて飛ぶ鳥を落とす勢いで外食産業の王道を突き進んでいた「いきなり!ステーキ」が、今まさに未曾有の荒波に揉まれています。運営元であるペッパーフードサービスが2019年11月14日に発表した、2019年1月〜9月期の連結決算は、市場に大きな衝撃を与えました。最終損益は19億円という巨額の赤字に転落し、企業の財務健全性を示す「自己資本比率」は5%を割り込むという、極めて予断を許さない状況に陥っています。

ここで言う自己資本比率とは、総資産のうち返済不要な自分の資金が占める割合のことで、これが低下することは企業の体力や安全性が損なわれているサインと言えます。株価も1年前と比較して3分の1程度まで急落しており、投資家の間でも動揺が広がっているのは間違いありません。2019年12月期の通期予想も、2期連続の最終赤字へと下方修正され、快進撃を続けていたブランドの影に潜んでいた歪みが、一気に噴出した格好です。

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急激な多店舗展開の誤算とファンからの厳しい視線

失速の主な原因は、短期間での過剰な出店戦略による「自食作用(カニバリズム)」にあると考えられます。これは自社の店舗同士が同じ商圏内で顧客を奪い合ってしまう現象を指しますが、あまりの出店スピードに需要が追いつかなかったのでしょう。SNS上では「最近、肉の質が変わった気がする」といった品質への疑問や、「接客サービスの低下が寂しい」という愛用者からの切実な声が散見され、かつての熱狂的な支持が急速に冷めていく様子が伺えます。

記事の現状を冷静に分析すると、一度離れた顧客の心を呼び戻すのは、新規顧客を獲得する以上に困難な道のりであると感じざるを得ません。安価で厚切りのステーキを立ち食いスタイルで提供するという、既存の常識を打ち破った革新的なビジネスモデルでしたが、いまやその希少価値が薄れてしまいました。店舗の撤退作業には多額の費用が伴うため、不採算店舗の整理が進めば、さらなる「減損リスク(資産価値の引き下げによる損失)」が膨らむ恐れもあります。

編集者としての私見ですが、今のペッパーフードサービスに必要なのは、規模の拡大ではなく「ブランドの再定義」ではないでしょうか。数字上の目標を追うあまり、創業者である一瀬邦夫氏が当初掲げた「ステーキを通じて人々に喜びを与える」という原点が、現場レベルで形骸化していないか再確認すべき時期です。2019年11月22日現在、この厳しい冬の時代を乗り越えられるかどうかは、現場の士気向上と、ファンが納得する品質の回復にかかっていると言えます。

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