フランスの名門、グループPSA傘下の「シトロエン」が、日本市場で驚くべき快進撃を見せています。2019年11月27日、ブランド発信イベントのために来日したリンダ・ジャクソン最高経営責任者(CEO)は、2022年までに世界販売台数を現状から4割増となる140万台まで引き上げるという、極めて強気な目標を明らかにしました。世界全体では苦戦が続く同社ですが、ここ日本での盛り上がりは目を見張るものがあります。
2018年のシトロエンの国内販売台数は3564台を記録し、3年連続で右肩上がりの成長を遂げました。ジャクソンCEOは、日本のユーザーについて「現代的で唯一無二のデザインを愛する傾向がある」と分析しています。SNSでも「最近のシトロエンは街で見かけると目を引く」「内装の遊び心がたまらない」といったデザイン性を評価する投稿が相次いでおり、その独自性が感度の高い層に深く突き刺さっているようです。
特筆すべきは、日本における顧客層の圧倒的な「若さ」でしょう。欧州での平均年齢が55歳であるのに対し、日本では35歳から40歳と、実に15歳以上も若い層に支持されています。私は、保守的な選択を嫌う日本のミレニアル世代が、シトロエンの持つ「自由で独創的な空気感」に自分らしさを重ね合わせているのだと感じます。この若返りこそが、ブランド再興の鍵を握っているのは間違いありません。
欧州依存からの脱却へ!FCA統合による「世界4位」の衝撃
現在、シトロエンの販売はその8割を欧州市場に依存していますが、ジャクソンCEOは「より国際的なブランドへと進化させる」と宣言しました。日本や中東といった成長著しい地域でのシェアを拡大し、2022年までに欧州以外の販売比率を大幅に高める方針です。また、加速する電動化戦略についても「シトロエンはあくまで大衆に寄り添うブランド。誰もが手に届く価格で電気自動車(EV)を提供することが使命だ」と語り、親しみやすさを強調しました。
さらに、自動車業界を揺るがしているのが、2019年10月末に基本合意に至ったフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合です。これが実現すれば、世界第4位という巨大な自動車連合が誕生します。ジャクソンCEOも、統合による相乗効果(シナジー)への期待を隠しません。異なる強みを持つブランド同士が手を組むことで、次世代技術の開発やコスト削減において圧倒的な優位性を築けるはずです。
2019年11月28日現在、都内では最新モデルに触れられるイベントが12月1日まで開催されており、多くの買い物客で賑わっています。伝統を守りながらも、既成概念を壊すデザインで攻め続けるシトロエン。私は、このブランドが掲げる「ユニークさ」こそが、画一化されがちな現代の自動車市場に新しい風を吹き込み、世界140万台という高い壁をも乗り越えていく原動力になると確信しています。
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