FCAとPSAが電撃統合へ!世界4位の巨大小連合誕生で加速する次世代EV開発の行方

2019年10月31日、自動車業界に激震が走りました。欧米大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と、フランスのグループPSAが経営統合に向けて基本合意に至ったのです。つい4カ月前の2019年6月には、FCAとルノーの統合交渉が破談になったばかりでした。これほど短期間で次のパートナーを決めた背景には、一刻の猶予も許されない業界の厳しい現実が透けて見えます。

SNS上では「ルノーではなくプジョーを選んだか」「フィアットとシトロエンが同じ屋根の下に…」といった驚きの声が広がっています。FCAのマイケル・マンリーCEOは、2019年8月のインタビューで他社との連携に前向きな姿勢を示していましたが、日産自動車との調整に手間取るルノーを横目に、決断を急いだ形です。スピード感を重視する編集者の視点で見れば、この迅速な舵切りは生き残りをかけた英断と言えるでしょう。

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巨大連合が挑む「CASE」という名の高い壁

なぜ両社はこれほどまでに統合を急いだのでしょうか。その最大の理由は、次世代技術への巨額な投資競争にあります。現在の自動車業界は、電動化や自動運転、コネクテッド(ネット接続)、シェアリングという「CASE」と呼ばれる変革期の真っ只中にいます。2018年度の両社の研究開発費を合わせれば、日本円で約9400億円という規模に達し、先行するトヨタ自動車などの背中が見える位置まで一気に浮上することになります。

特に切実なのが、欧州で2021年から導入される厳しいCO2(二酸化炭素)排出規制への対応です。この規制は、自動車メーカーが販売する車の平均排出量が基準を超えた場合、巨額の罰金が科されるという厳しいルールです。FCAはこれまで電動化で出遅れていましたが、PSAが持つ小型電気自動車(EV)の技術を吸収することで、この危機を乗り越えようとしています。

しかし、この統合がバラ色の未来を約束するわけではありません。新組織は10以上のブランドを抱えることになりますが、依然として販売の主戦場は欧州と米州に偏っています。世界最大の市場である中国やアジア圏の攻略については、具体的な戦略が見えてこないのが現状です。さらに、日産が持つ高度な電動化ノウハウを手にできなかった点は、今後の大きな懸念材料になるはずです。

トヨタやフォルクスワーゲンが「1000万台クラブ」として独走し、異業種であるIT巨人たちも参入するなか、中規模メーカーが単独で生き残るのは至難の業です。今回のFCAとPSAの合意は、ホンダや現代自動車など、他のメーカーの戦略にも連鎖的な影響を与えることは間違いありません。編集部としては、この「巨大な結婚」が単なる規模の拡大に終わるのか、真の技術革新を生むのか、引き続き注視していきたいと思います。

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