2019年11月07日、アメリカ政権を揺るがしているウクライナ疑惑において、新たな衝撃の事実が浮かび上がりました。トランプ米大統領が、次期大統領選のライバルと目されるバイデン前副大統領のみならず、かつての宿敵であるヒラリー・クリントン元国務長官の不正についても、ウクライナ側に調査を求めていたことが判明したのです。
この事実は、米議会下院の情報特別委員会が同日に公開した、ジョージ・ケント国務次官補代理の証言記録によって白日の下にさらされました。ケント氏の語った内容によれば、別の外交官を通じて「トランプ氏はクリントン氏への追及も望んでいる」との意向が伝えられたといいます。2020年の大統領選を目前に控え、自身の政治的優位を確保しようとする執念が垣間見える展開といえるでしょう。
SNS上ではこのニュースに対し、「大統領という強大な権力を個人の政敵排除に使うのは異常だ」「司法の私物化ではないか」といった激しい批判の声が渦巻いています。その一方で、トランプ氏の支持層からは「疑惑があるなら徹底的に調べるべきだ」という擁護論も根強く、アメリカ国内の世論はまさに真っ二つに割れている状況です。
「政治的調査」の危うさ。ケント氏が指摘する外交方針との深刻な矛盾
証言を行ったケント氏は、今回の一連の動きに対し、極めて厳しい見解を示しています。同氏は「米大統領が事実上の政治的な調査を他国へ要請することは、アメリカが長年掲げてきた『腐敗撲滅』という世界戦略の方針と真っ向から対立する」と断じました。この「政治的調査」とは、公平な司法判断に基づくものではなく、特定の政治家を貶めることを目的とした恣意的な追及を指します。
編集者としての私見を述べれば、外交を自身の選挙対策のツールとして利用する手法は、国際社会におけるアメリカの信頼を根底から失墜させかねない危うさを孕んでいます。他国に汚職撲滅を説きながら、足元で政治的な介入を行うという二重基準は、民主主義のリーダーとしての資格を問われる事態です。2019年11月08日現在、この証言が弾劾に向けた動きをさらに加速させることは避けられないでしょう。
大統領というポストは、個人の怨念を晴らすための場所ではありません。ヒラリー・クリントン氏という過去の対戦相手を再び引き合いに出す行為は、トランプ氏がいかに「強固な敵」を必要としているかの証左でもあります。今後、公開公聴会などでさらなる新事実が飛び出すのか、ホワイトハウスがどのような反撃に出るのか、世界中が固唾を呑んでその行方を注視しています。
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