【2020年予測】米国株は割高?スイスの名門ピクテが語る、次に狙うべき「新興国」と「割安株」の投資妙味

2019年11月29日、世界的な株高傾向が続く中で投資家たちが次の一手を探っています。今回は、スイスの名門運用会社ピクテ・アセット・マネジメントのチーフ・ストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏に今後の展望を直撃しました。同氏の視線は、現在最高値を更新し続ける米国株ではなく、意外な場所へと注がれています。世界の景気が減速の兆しを見せる中、長期マネーの流れる先が大きく変わろうとしているのかもしれません。

パオリーニ氏は、現在のアメリカ市場に対して非常にシビアな見方を示しています。来年2020年の米経済成長率を1.5%と予測しており、製造業の落ち込みから景気の底入れを経験するだろうと分析しました。これに伴い、市場で期待されている企業利益の予想は「楽観的すぎる」と指摘しており、今後下方修正という厳しい現実に直面する可能性が高いでしょう。SNS上でも「米国株一本足打法は危険か」という不安の声が広がりつつあります。

こうした状況下で同氏が「妙味がある」と太鼓判を押すのが、欧州や新興国の市場です。特に、EU離脱問題などで株価が抑えられてきた英国株や、高い成長性を秘めたロシア株などは、本来の価値に対して割安な「投資妙味(投資する価値がある魅力的な状態)」が非常に大きいとされています。一方で、日本株については「中立」という慎重な姿勢を維持しており、世界的な視点からはまだ決め手に欠ける状況といえるでしょう。

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バリュー株への主役交代とエネルギー・自動車株の可能性

投資戦略の核となるのは、これまで市場を牽引してきた「成長株」から「割安株(バリュー株)」への主役交代です。バリュー株とは、企業の利益や資産に対して株価が低く評価されている銘柄を指します。パオリーニ氏は、景気サイクルの終盤に力を発揮しやすいエネルギー株や資源株、さらには景気の波に敏感な銀行や自動車株にこそ、面白い投資機会が眠っていると示唆しています。

編集者としての私の意見ですが、現在の市場はまさに「転換点」に立っています。GAFAをはじめとする巨大IT企業に資金が集中した時期を経て、投資家の関心はより現実的な資産価値や地政学的な割安感へとシフトしつつあります。SNSで囁かれる「乗り遅れるな」という熱狂に流されず、名門ピクテが指摘するように、あえて誰もが手を出していない「放置された優良資産」に目を向ける勇気こそが、2020年の勝敗を分けるのではないでしょうか。

また、同氏はアメリカが2020年3月にも追加利下げに踏み切ると予想しています。金利を下げることは経済のカンフル剤となりますが、それでも景気の減速を完全に止めるのは容易ではありません。世界経済全体の成長率も2019年の実績をわずかに下回る2.7%まで鈍化する見通しです。数字の華やかさに惑わされず、一歩引いた視点でポートフォリオを再構築する、冷静な知性が求められる局面といえます。

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