北陸の冬を象徴する王者、カニの季節が2019年11月06日に幕を開けました。石川県でも、福井県の越前ガニや山陰地方の松葉ガニといった強豪ブランドに引けを取らない知名度を獲得しようと、官民を挙げた熱い取り組みが加速しています。特に今年、かなざわ総合市場で実施された「加能ガニ」の初セリでは、これまでの常識を覆す大胆な試みが行われ、会場は異例の熱気に包まれました。
その試みとは、各漁船が誇る最も大きく身の詰まった雄の「加能ガニ」を、1匹ずつ丁寧に競りにかけるという手法です。従来は3匹から10匹を箱単位でまとめて扱っていましたが、個体ごとの価値を際立たせることで、2019年11月06日の初セリでは1匹30万円という驚きの最高値が飛び出しました。市場の担当者によれば、これは来年からの本格的なブランド展開を見据えた重要な布陣であり、産地のプライドを懸けた挑戦と言えるでしょう。
一方、小ぶりながら濃厚な味わいが人気の雌ガニ「コウバコガニ」でも、ブランド化の波が押し寄せています。金沢海産物ブランド化推進協議会では、昨年から金沢沖で水揚げされた優良な個体に対し、「かないわ香箱」という専用のタグを装着する取り組みをスタートさせました。手足が美しく揃い、厳しいサイズ基準をクリアしたカニだけがこの称号を許されるため、店頭でのPR力は格段に高まっています。
産地の誇りを守る「タグ」と「1匹競り」の真意
SNS上では、この石川県の攻勢に対して「1匹30万円のカニを一度でいいから拝んでみたい」「地元のカニがブランド化されるのは応援したい」といった前向きな反応が目立ちます。特に、これまで家庭的なイメージが強かったコウバコガニが「かないわ香箱」としてブランド化されたことで、贈り物としての需要も高まりそうです。消費者の目も肥えてきている2019年11月09日現在、こうした「品質の証明」は安心感に直結します。
メディア編集者としての私の主張ですが、こうした熾烈なブランド競争は、単なる価格の吊り上げではなく、漁業者の労働に見合う正当な対価を守るために不可欠なプロセスだと確信しています。1匹ずつのセリや厳格なタグ管理は、手間はかかりますが、それこそが「本物」を求める市場への誠実な回答になるはずです。石川県が誇る豊かな海の幸が、全国、そして世界へ届くブランドへと昇華していく未来を、一人のファンとして心から期待せずにはいられません。
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