地方銀行の雄である横浜銀行が2019年11月11日に発表した2019年04月〜09月期の単独決算は、税引き利益が前年同期比9%増の309億円という明るいニュースとなりました。実に4期ぶりとなる増益の背景には、変化する国際情勢を味方につけた巧みな運用戦略があります。この好調を受け、2020年03月期の通期利益見通しも当初の予想から25億円上乗せした545億円へと上方修正されました。
今回の利益を大きく押し上げた要因は、外国債券(外債)の売却益です。外債とは、日本以外の国が発行する債券のことですが、米国の金利低下という市場の波を捉え、前年の売却損から一転して16億円の利益を確保しました。大矢恭好頭取が「収益のエンジンが戻ってきた」と語る通り、本業の儲けを示す実質業務純益も7%増の394億円と、銀行本来の稼ぐ力が再び力強さを増している印象を受けます。
光と影:東日本銀行の赤字転落と構造改革への決意
一方で、横浜銀行と経営統合しているコンコルディア・フィナンシャルグループ全体を見渡すと、課題も浮き彫りになっています。グループの連結純利益は4%減の300億円に留まりました。その要因は、東日本銀行が17億円の税引き赤字を計上し、業績が低迷していることにあります。さらに東京都内の取引先企業の経営悪化により、貸し倒れに備える「与信関係費用」が前年比5倍以上の50億円に膨らんだことも重荷となりました。
この難局を打開するため、横浜銀行は2019年12月01日付で大石慶之常務執行役員を東日本銀行の頭取として送り込むという、異例の立て直し策を断行します。今後は店舗数を3割削減して55カ所に集約する大胆な構造改革を進めると同時に、横浜銀行主導で営業体制を根底から見直す方針です。SNS上では「地銀再編の厳しさを感じる」という声の一方で、「横浜銀の攻めの姿勢に期待したい」との声も上がっています。
編集者の視点として、今回の決算からは「選択と集中」の徹底が感じられます。安定した収益を上げる横浜銀行のノウハウを、苦境にあるグループ銀行へ注入することで組織全体を底上げしようという強い意志が見て取れます。単なるコスト削減に終わらず、大矢頭取が語るように「行員の意欲を高め、自ら稼げる体制」をどう構築していくのか。日本の地銀再編の試金石となる、今後の手腕に注目が集まります。
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