ブラジルの地で開催されているサッカーU-17ワールドカップにおいて、日本中が期待を寄せた若き侍たちの挑戦が、ひとつの節目を迎えました。2019年11月6日(現地時間)、決勝トーナメント1回戦に臨んだ日本代表は、北中米の強豪メキシコと激突。1次リーグをグループ首位で突破した勢いそのままに勝利を掴み取りたかったところですが、結果は0対2という悔しい完敗に終わりました。
試合全体を振り返ると、日本は持ち前のパスワークを駆使してボールを支配し、スタッツ上では64%という圧倒的な保持率を記録しています。しかし、サッカーという競技の難しさは、数字上の優位性が必ずしも勝利に直結しない点にあるでしょう。1次リーグで計4得点を叩き出したエースの若月大輔選手や西川潤選手の強力2トップも、相手の堅い守備を前に沈黙してしまいました。
SNS上では「内容は悪くなかっただけに悔しい」「メキシコの勝負強さに脱帽」といった声が多く上がっています。特に注目されたのは、日本の守護神である鈴木彩艶選手の奮闘です。幾度となく訪れた危機を鋭い反応で防ぎ、57分に失点を喫するまではスコアレスの均衡を維持し続けました。しかし、セットプレーという「要所」でのマークミスが、勝負の流れを決定づけてしまったのです。
世界の壁を実感させた「球際」と「勝負の精度」
2失点目は74分、相手の巧みなドリブルに守備陣が翻弄される形で奪われました。鈴木海音選手が「球際(ボールを奪い合う局面)やセカンドボールの予測が遅れた」と語る通り、一瞬の判断ミスやコンタクトの強度が明暗を分けました。ここで言う「セカンドボール」とは、空中戦やシュートの後にこぼれた浮き球のことですが、これを回収する反応の差がメキシコに軍配を上げた要因です。
森山佳郎監督は、選手たちにもっと高いレベルの景色を見せたかったと無念さを滲ませています。監督の分析によれば、最後の局面での「精度」やゴールへ向かう「迫力」において、メキシコが一枚上手だったことは否認できません。美しいパスサッカーを展開しながらも、ゴールという最も重要な結果に結びつける力が不足していた点は、今後の日本サッカー界が向き合うべき大きな課題と言えます。
私は、この敗北こそが彼らを真のトッププレイヤーへと成長させる「劇薬」になると確信しています。負けて涙を流した若き逸材たちが、この日の教訓を胸に数年後のフル代表でリベンジを果たす姿を想像せずにはいられません。効率的なカウンターに屈した悔しさは、技術以上に「勝負に徹する姿勢」の大切さを教えたはずです。彼らの冒険は、ここからまた新しく始まるのです。
コメント