フィットネスエステ「ビーゲイト」が倒産!人手不足とジム一蓮托生のビジネスモデルが招いた限界

2019年9月30日、首都圏を中心に「フィットネスエステ」という斬新なコンセプトで親しまれてきた株式会社ビーゲイトが、ついに事業を停止しました。2007年4月の設立以来、スポーツジム内にエステを併設するという独自のスタイルで急成長を遂げた同社でしたが、その後の道のりは険しいものだったようです。

同社が掲げた「美容・運動・食事」の三位一体のサポートは、30代から40代の女性を中心に熱い支持を集めました。SNS上でも「ジム帰りにそのままエステに寄れるのが効率的」「アジアンテイストな空間に癒やされる」といった好意的な声が多く、一時は全国30店舗まで勢力を拡大し、2015年2月期には売上高約11億2100万円を記録しています。

しかし、この「ジム併設」という強みは、裏を返せばジムの集客力に運命を委ねる「一蓮托生(いちれんたくしょう)」のリスクを孕んでいました。これは、良いときも悪いときも行動や運命を共にすることを指します。提携先のジムが不振に陥れば、自社の努力とは無関係に客足が遠のき、ジムの閉鎖がそのまま店舗の消滅に直結するという脆さがありました。

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華やかな拡大の裏で深刻化した慢性的な人手不足

さらに、同社を追い詰めたのは深刻な「人手不足」でした。自前で研修センターを設立するほど教育に力を入れていたものの、競合他社との人材獲得競争は激化する一方だったのです。SNSでは「予約が取りづらくなった」「スタッフの入れ替わりが激しい」といった不安の声も漏れ始めており、現場の疲弊は隠せませんでした。

現場にエステティシャンが足りなければ、いくら立派な店舗があっても営業時間を短縮せざるを得ません。2017年2月期には売上高が約7億3500万円まで急落し、ついに債務超過へと転落してしまいました。これは負債の総額が資産の総額を上回り、実質的に財産をすべて売却しても借金を返せない危機的な財務状態を意味します。

美容業界全体を見渡すと、2018年度の倒産件数は149件に達し、リーマン・ショック後で最多という厳しい状況にあります。私自身の見解としても、エステ業界は参入障壁が低い分、価格競争に陥りやすく、スタッフの「技能」という形のない資産に依存しすぎる点が、経営の不安定さを生んでいると感じてやみません。

2019年10月からは消費税率が10%へ引き上げられ、嗜好品としての側面が強いエステへの風当たりはますます強まるでしょう。ビーゲイトの破綻は、低価格戦略や特定の集客ルートに頼るビジネスモデルの限界を、業界全体に突きつけた象徴的な事件といえるのではないでしょうか。

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