2019年11月19日、日本の経済に大きな転換点をもたらす日米貿易協定の承認案が、衆院本会議にて自民・公明両党などの賛成多数で可決されました。これに合わせて、インターネット上のビジネスルールを定める日米デジタル貿易協定も承認され、審議の舞台は参院へと移ります。今国会で正式に承認されれば、2020年1月1日という記念すべき元日から、新たな貿易の枠組みがスタートする見通しです。
このニュースを受けてSNSでは、「アメリカ産の牛肉が安くなるのは嬉しい」といった家計への恩恵を期待する声が上がる一方で、「日本の農業は本当に大丈夫なのか」という不安の声も目立ちます。また、自動車の関税撤廃が先送りになったことへの落胆も見られ、国民の関心は非常に高い状況です。編集部としては、生活の利便性が向上する一方で、国内産業を守るための次なる施策が急務であると感じています。
牛肉・豚肉が身近に?食卓を彩る関税引き下げの全貌
協定が発効すれば、私たちの食卓に欠かせない食材の価格に大きな変化が訪れるでしょう。現在38.5%という高い水準にある米国産牛肉の関税は、2020年1月1日から環太平洋経済連携協定(TPP)並みの水準まで一気に引き下げられます。その後も段階的な減税が続き、2033年度には最終的に9%まで下がる計画です。TPPとは、複数の国々で関税をゼロに近づけ、自由な貿易を目指すルールのことを指します。
豚肉についても、比較的安価な部位に設定されている「従量税」という、輸入量に応じて課される税金が大幅にカットされます。現行の1キロあたり482円から、2027年度には50円まで引き下げられる予定です。スーパーでの販売価格にどこまで反映されるかは流通次第ですが、消費者にとってはステーキや豚肉料理をより気軽に楽しめる時代がやってくると言えるでしょう。
デジタル貿易と製造業の未来、そして残された課題
今回の協定では、目に見える「モノ」だけでなく、デジタル分野のルール作りも進みました。デジタル貿易協定では、企業が持つ高度な暗号技術などの「情報の鍵」を、国が開示させることを禁じています。これにより、日本の最先端技術が不当に流出するリスクを抑え、健全なITビジネスを展開できる環境が整います。ネット社会のインフラを守るための、非常に重要な一歩と言えるのではないでしょうか。
一方で、日本が強く求めていた自動車やその部品に関する関税撤廃については、継続して協議していく形にとどまりました。ただし、エアコン部品などの1.4%の関税は発効と同時に撤廃されるため、製造業の一部には追い風が吹くでしょう。閣僚の辞任劇などで審議は遅れましたが、政府は2019年12月9日の会期末までの承認を急いでいます。今後の参院での議論からも目が離せません。
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