日本の食文化に欠かせないウナギが、今まさに大きな転換期を迎えています。近畿大学は2019年11月20日、ニホンウナギの人工ふ化に成功し、さらに50日間の飼育を達成したと発表しました。このニュースはSNSでも「ついにウナギも近大ブランドに!」「未来の土用の丑の日が救われる」と大きな期待を呼んでいます。現在、ウナギの漁獲量は深刻な減少を続けており、私たちの食卓から消えてしまうかもしれないという危機感が高まっているのです。
今回の成果は、ウナギを卵から育て上げる「種苗生産(しゅびょうせいさん)」への大きな一歩です。種苗生産とは、天然の稚魚に頼らず、人工的にふ化させた赤ちゃんを養殖用の稚魚にまで成長させる技術を指します。2019年9月に採取された数十万個の卵から、無事に人工授精を経て誕生した稚魚たちは、現在約2センチほどにまで健やかに成長しています。20尾という数字は少なく感じるかもしれませんが、これは商業化に向けた貴重な希望の光と言えるでしょう。
「近大マグロ」に続く奇跡へ!完全養殖が切り拓く日本の食糧未来
近畿大学が見据えるゴールは、人工ふ化で育った個体を親にして次の世代を生む「完全養殖」の確立です。この技術が完成すれば、天然資源を一切傷つけることなく、持続可能な形でウナギを提供できるようになります。同大学は早ければ3年で技術を確立し、2023年には飲食店での提供を目指すという、非常にスピーディーな目標を掲げています。先行して成功している研究機関の課題である「コスト面」を、近大がいかにクリアするのかが大きな注目ポイントです。
2013年にニホンウナギが絶滅危惧種に指定されて以来、私たちは「食べたいけれど守らなければならない」というジレンマを抱えてきました。近大がこれまでブリやシマアジで成し遂げてきた実績を考えれば、この困難なミッションも必ずや突破してくれると私は確信しています。近大マグロで世界を驚かせたように、今度は「近大ウナギ」が日本の、そして世界の水産資源を救う象徴になる日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。
こうした革新的な研究は、大学の魅力としても輝きを放っています。2019年度の入試志願者数が過去最高を記録した背景には、実学を重んじる姿勢が若者に支持されている証拠でしょう。単なる学問に留まらず、社会の課題を解決し、実際に私たちの口に入るものに変化をもたらす。そんな近畿大学の挑戦が、4年後に「おいしい笑顔」として実を結ぶことを願ってやみません。
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