2019年11月23日、競泳の東京都オープンが開催され、リオデジャネイロ五輪の金メダリストである萩野公介選手が男子400メートル自由形に出場しました。休養からの復帰後、着実に歩みを進める彼の一挙手一投足に、会場からは熱い視線が注がれています。結果は3分51秒15で2位となりましたが、記録以上に彼の表情には充実感が漂っていました。
レース後のインタビューで萩野選手は、タイムについては決して満足していないと率直に語っています。しかし、その言葉の端々には「泳ぐことを楽しめた」という前向きな響きがありました。かつてのストイックな姿も魅力的でしたが、今の彼が放つ自然体なオーラは、見守るファンにどこか安心感を与えているようです。
SNS上では「萩野選手が笑顔でインタビューに答えているだけで泣ける」「タイムはこれから上がってくるはず」といった、温かい応援コメントが続々と寄せられています。一度はどん底を経験したヒーローが、再び水と戯れる喜びを取り戻した瞬間を、多くの人々が自分のことのように喜んでいるのが印象的でした。
ここで「自由形」という種目について少し解説しましょう。これは文字通り、どんな泳法でも許可される種目ですが、現代の競技では最もスピードが出る「クロール」を選択するのが一般的です。萩野選手は本来、4つの泳法を全てこなす個人メドレーのスペシャリストですが、こうして自由形に出場することは、持久力やスピードの底上げを図る狙いがあるのでしょう。
私個人の見解としては、スポーツ選手にとって「楽しむ」という感覚は、技術的なトレーニング以上に重要だと考えています。特にトップアスリートが受ける重圧は計り知れません。2019年11月23日の彼が見せた明るい表情こそが、2020年の大舞台に向けた何よりの「武器」になるのではないでしょうか。
もちろん、五輪の選考会を勝ち抜くためには、さらなるタイムの短縮が不可欠であることは間違いありません。それでも、暗闇を抜けて光の差す方へと進み始めた彼の挑戦を、私たちは全力で支持すべきです。一歩ずつ、確実に。萩野公介という稀代のスイマーが、再び世界の頂点へと駆け上がる物語は、まだ始まったばかりなのです。
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