JリーグがW杯超えに挑む!日産スタジアムの観客動員記録と「緩衝地帯」という空席の正体

2019年11月23日、私はドイツで長谷部誠選手や鎌田大地選手が躍動するフランクフルトの試合を観戦しました。5万人を超える観客の熱気に包まれたスタジアムを目の当たりにし、改めてスポーツが持つ集客の凄まじさを痛感しています。そして今、日本でも歴史的な瞬間が訪れようとしています。2019年12月7日のJリーグ最終節、横浜F・マリノスとFC東京による直接対決の優勝決定戦に、大きな期待がかかっているのです。

SNS上では「チケットが取れないほどのプラチナ化が凄い」「JリーグがラグビーやサッカーW杯の記録を抜くかもしれない」と、ファンの間でボルテージが最高潮に達しています。現在、日産スタジアムの最多動員記録は、2019年11月2日に行われたラグビーW杯決勝の7万103人です。もしJリーグの試合がこの記録を塗り替えることになれば、日本のスポーツ文化にとって極めて象徴的で、愉快な出来事になるでしょう。

スポンサーリンク

記録更新を阻む「緩衝地帯」という壁

しかし、この輝かしい記録更新には大きなハードルが立ち塞がっています。それは「緩衝地帯(かんしょうちいたい)」と呼ばれる空席の存在です。これはホーム側とアウェー側のサポーターが直接接触して衝突するのを防ぐために、あえて座席を販売せずに空けておくエリアのことです。この措置により、約1500席分ものチケットが売られない状況が発生しており、満席にできない大きな要因となっています。

ここで言う緩衝地帯とは、熱狂的なファン同士の安全を確保するための「防波堤」のような役割を果たすものです。W杯のような祭典では、多様な層の観客が集まるため比較的トラブルが起きにくい傾向にありますが、クラブ同士の戦いは愛着が強すぎるゆえに、衝突の火種が消えることはありません。安全第一と言われれば従う他ありませんが、観戦を熱望するファンが大勢いる中で、空席を維持しなければならない現状には、何とも言えないもどかしさを感じます。

「マイクラブ」を愛する幸せの代償

Jリーグは1993年の開幕から26年間、誰もが自分のクラブを持つ喜びを提唱し続けてきました。代表戦という誰もが応援するチームとは別に、地域の「マイクラブ」を熱狂的に支える。その情熱がスタジアムの記録を塗り替える原動力になるはずですが、その情熱ゆえに「緩衝地帯」が必要になるというパラドックス(逆説)が生じているのです。安全のために座れない席がある。この空席は、一体何の代償なのでしょうか。

私個人の意見としては、サポーターの民度が成熟し、いつの日かこの「空白のエリア」が不要になる未来を願わずにはいられません。最高の試合を一人でも多くのファンがその目で見届け、満員御礼のスタンドで記録が更新される。それこそが、日本サッカー界が真の意味でW杯レベルを超えた証になるはずです。2019年12月7日、日産スタジアムを埋め尽くす情熱が、どんな景色を見せてくれるのか、私は今から楽しみでなりません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました