2019年11月26日、日本企業の経営の在り方に一石を投じる鋭い視点が提示されました。EYトランザクション・アドバイザリー・サービスのパートナーを務める小林暢子氏は、昨今叫ばれている「企業内における多様性」について、今こそその本質に立ち返るべきだと提言しています。単に女性や外国人の登用数を増やすといった数値目標の達成に終始するのではなく、組織の根幹から変革を求める声が強まっているのです。
SNS上では、この小林氏の主張に対して「数値合わせのダイバーシティに違和感を持っていたので、非常に納得感がある」「本質的な議論を避けてきたツケが今の停滞を招いている」といった共感の声が目立っています。多くのビジネスパーソンが、表面的な多様性推進に対して限界を感じている様子が伺えるでしょう。こうした反応は、現場が求めているのが「ラベル」ではなく、個々の能力が最大限に発揮される環境であることを示唆しています。
同質性の罠から脱却し真のイノベーションを生む組織へ
ここで注目すべきは、小林氏が指摘する「同質性」の危うさです。企業が同じような価値観や経歴を持つ人々だけで構成されると、意思決定が迅速に進む一方で、未知のリスクや新たな市場の予兆を見逃すリスクが高まります。これを打破するために必要なのが「ダイバーシティ(多様性)」ですが、これは単に異なる属性の人が混ざっている状態を指す言葉ではありません。
真に機能する多様性とは、インクルージョン(包摂)とセットで語られるべき概念です。インクルージョンとは、個々の違いを認め合い、誰もが組織の意思決定に参画できていると感じられる状態を指します。たとえ会議室に多様な顔ぶれが揃っていても、一部の声の大きい人だけが意見を通すようでは、それは本当の意味での多様な組織とは呼べないでしょう。
私個人の意見としても、今の日本企業に必要なのは「異質な意見を歓迎する勇気」だと確信しています。批判的な意見や斬新なアイデアを、既存の秩序を乱すものとして排除するのではなく、むしろ成長の糧として取り込む度量がリーダーには求められているのです。同質的な心地よさを手放した先にこそ、予測不可能な時代を生き抜く強靭な組織が生まれるのではないでしょうか。
2019年11月26日の提言にあるように、私たちは今一度、基本に立ち返る必要があります。形式的な制度を整えるフェーズは終わり、次はいかにして多様な個性を企業の付加価値へと変換していくかという実戦のフェーズに突入しています。経営層から現場の社員までがこの課題を自分事として捉え、対話を積み重ねることが、日本企業の再躍進に向けた唯一の道となるに違いありません。
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