近畿エリアの不動産市場に、今、大きな変化の波が押し寄せています。不動産経済研究所が2019年11月18日に発表した最新の調査データによりますと、2019年10月における近畿2府4県の新築分譲マンション発売戸数は、前年の同じ時期と比べて28%も少ない1271戸にとどまりました。これで3カ月連続のマイナス成長となっており、供給の停滞が鮮明になっています。
こうした供給減の背景には、近年の物件価格の高騰が深く関係していると考えられます。不動産会社各社は、高値による買い控えや売れ残りが発生することを強く警戒しており、新しい物件を世に送り出すタイミングをあえて遅らせる「売り渋り」の戦略をとっているようです。SNS上でも「一般層には手が届かない価格になった」「今は買い時ではないのか」といった慎重な声が目立っています。
ここで注目すべきは、一部の地域で見られ始めた変化の兆しです。大阪市内やその周辺の郊外エリアでは、販売を促進するために「値引き」へと踏み切る動きが観測されるようになりました。不動産用語で言う「在庫調整」のフェーズに入ったと言えるでしょう。これは、高止まりしていた市場価格が、消費者の購買意欲に合わせて少しずつ歩み寄り始めた証拠かもしれません。
今後の展望と賢い物件選びのポイント
気になる今後の見通しですが、2019年11月の発売戸数は1500戸程度と予測されており、依然として前年の実績を下回る状況が続くでしょう。市場全体が冷え込んでいるように見えますが、私はこれを「バブル的な高騰の是正」とポジティブに捉えています。無理な価格設定が淘汰され、本当に価値のある物件が適正な価格で提供される健全な市場への転換点ではないでしょうか。
検討中の方にとっては、供給が絞られている今こそ、各業者の値引き動向や物件の質をじっくりと見極める絶好の機会です。焦って高値で掴むのではなく、価格交渉の余地がある物件を探すのが賢明な判断となるでしょう。ネット上の反応を見ても、特定の好条件物件に人気が集中する一方で、条件の悪い物件は早期に見放されるといった二極化の傾向がこれまで以上に強まっていくはずです。
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