日本の労働市場が大きな転換期を迎える中、2019年11月18日、関西経済連合会は政府が推し進める「70歳までの就業機会確保」に関する重要な意見書を公表しました。政府は高齢者の就労を促すための努力義務を企業に課す方針ですが、現場を預かる経済界からは慎重な声が上がっています。
今回の提言で最も強調されたのは、定年延長や雇用継続を一律にルール化することへの強い懸念です。年齢を重ねるほど、健康状態や仕事に対する意欲には驚くほど大きな個人差が生まれます。それらを無視して一律に制度を適用することは、かえって現場の混乱を招く恐れがあるでしょう。
画一的な制度から「個」を尊重する柔軟な雇用スタイルへ
関西経済連合会は、職種や対象者の状況に応じて柔軟に選択できる「新制度」の創設を強く訴えています。特に建設現場などの肉体労働を伴う職務では、年齢と共に生産性が低下するリスクは避けられません。すべての職種に同じ定年基準を当てはめる現行の考え方は、時代に即していないのかもしれません。
SNS上ではこのニュースに対し、「元気なうちは働きたいけれど、無理強いはされたくない」という当事者の声や、「若手のチャンスが減るのでは」という懸念も散見されます。単に長く働かせるのではなく、シニア世代が持つ豊かな経験を、いかに最適な形で社会に還元できるかが問われています。
編集者としての私見ですが、高齢者の雇用は「義務」ではなく、企業と個人の双方が納得できる「契約の多様化」として捉えるべきです。画一的な定年制を維持するのではなく、一人ひとりのパフォーマンスやライフスタイルに寄り添ったオーダーメイドな働き方こそが、日本経済の活性化に繋がるはずです。
今回の2019年11月18日の提言は、少子高齢化が進む日本において、私たちがどのような「生涯現役社会」を築くべきかという本質的な問いを投げかけています。政府と企業が対話を重ね、誰もが自分らしく輝ける労働環境が整備されることを切に願ってやみません。
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